石川遼、ジャンボ尾崎ら超えに王手…大会単独最多4勝へ1差2位、節目の20勝と同時達成へ「この上なく幸せ」
◆男子プロゴルフツアー 三井住友VISA太平洋マスターズ 第3日(9日、静岡・太平洋C御殿場C=7262ヤード、パー70) 首位と5打差11位から出た石川遼(33)=カシオ=が6バーディー、1ボギーとこの日最少65をマークし、通算8アンダーで1打差2位に浮上。男子ツアーで今季初の1万人を超すギャラリーを沸かせた。大会単独最多4勝と史上12人目のツアー20勝へ、最終日に逆転を目指す。金谷拓実(26)=Yogibo=が9アンダーで単独首位を守った。 富士山を望む雄大なコースに、今季最多1万48人のギャラリーの大歓声が響き渡った。石川は1番で3メートルを沈め、バーディー発進。4つ伸ばして迎えた最終18番パー5では、今週から投入した50度ウェッジで放った3打目がピン下1メートルに。「難しいピン位置で、いいショットができた」と圧巻の一打からバーディー締め。自身の大会最少スコアに並ぶ65で2位浮上した。 第2ラウンドはパットが不調で71とオーバーパーだった。だが、「自分でラインが1本ずれたと思っていたのが、その通りになっていた」とミスの原因が分かっていたため、1日で修正に成功。この日は平均パット数「1・539」で全体4位となり「パットはベストのパフォーマンスに近い」とグリーン上が好調だった。 過去3勝を誇る好相性の大会。石川が好きなところは、苦戦する選手が多い速いグリーンだという。「昔から芝も変わっていないと思うし、形状も変わったホールが少ない」。これまで17度出場している経験を生かし、今年も上位争いを繰り広げている。また、「勝ったことがあるコースは、今の自分をすごい知ることができる」と33歳のプレーを味わっている。 優勝すれば、大会単独最多4勝の快挙。現在3勝で並ぶのは石川のほかに、国内94勝の尾崎将司、同48勝の中嶋常幸とリー・ウェストウッド(英国)の3人。尾崎、中嶋という永久シード保持者2人と肩を並べていることは「この大会の勝利数だけでも、同じというところはすごいうれしい」と感慨も深い。 これまでの3勝は、いずれも最終日最終組でプレー。10日も最終組で回ることになり、「この位置で最終日を迎えられるのは、この上なく幸せ。今日よりも自分を良くして、明日は終わりたい」。節目の20勝もともに達成する大勝負。富士の麓で石川が再び頂点を目指す。(富張 萌黄) ◆三井住友VISA太平洋マスターズの優勝回数 最多は3度で尾崎将司(73、92、94年)、中嶋常幸(85、02、06年)、英国のリー・ウェストウッド(96、97、98年)、石川遼(10、12、22年)の4人。72年に第1回大会が行われ今年で52回目。01年から現行名。
報知新聞社