マチュピチュ遺跡の保全を後押し ドローンで測量、3次元データ化 福島県富岡町の建設コンサル「ふたば」
ペルーの世界遺産「マチュピチュ遺跡」の調査に携わってきた福島県富岡町の建設コンサルタント業「ふたば」は、遺跡の本格調査に乗り出す。国際協力機構(JICA)、ペルー政府と年内に契約調印し、来年2月ごろに現地にチームを送る見通し。レーザーや超高解像度カメラを搭載したドローンで測量して3次元データ化し、保全を後押しする計画だ。同社によると、マチュピチュ遺跡全体を詳細な3次元データとするのは世界で初めて。 JICAの委託を受け2022(令和4)年度までに実施した基礎調査の成果を踏まえる。本格調査の期間は2年程度を見込んでおり、6、7人程度のチームを編成して派遣する。 遺跡を精密な3次元データとすることで、劣化や経年変化の状況を明らかにできる。データはペルー政府による保全計画の策定に活用してもらう考え。レーザー技術を活用して遺跡周辺の土の中の形状なども測り、未発見の遺跡を発見できるかどうかの実証にも取り組む。
合わせて、マチュピチュ村全体の3次元データ化も実施する。災害危険エリアなどを視覚化することで、地域の防災体制の整備を後押しする。 同社は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の発生後、被災地の施設の3次元データ化などを担ってきた。蓄積した経験とノウハウを生かし、世界遺産を後世に残す取り組みを支える。遠藤秀文社長は「震災からの復旧・復興で培った技術を世界で生かす取り組みとなる。マチュピチュをはじめ、ペルーの遺跡保全につなげていきたい」と決意を示した。