「自分らしく働く」を諦めないで! 自分の「やりたい仕事」と「強み」は、こうすれば見つかる
<「私には強みがない」は大きな誤解。「自分らしく働く」ために必要なこと──アウェイに「越境」すると自分の強みが分かる>
自分の強みや大事にしたい価値観とは何か? そんな問いに向き合うための考え方や行動のヒントを紹介した一冊が、『自分らしく働くための39のヒント』(KADOKAWA)です。著者は、エージェント事業、リスキリング事業などを通じてキャリアを支援するWaris代表取締役・共同創業者を務める田中美和さん。 ●日本だけ給料が上がらない謎…その原因をはっきり示す4つのグラフ 働き方や仕事への価値観が多様化するいま、改めて「自分らしく働く」を実現するには? 今後求められる人材像とともにお聞きします。(※この記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です) ■「自分らしく働く」は誰でも可能な選択肢 ──『自分らしく働くための39のヒント』を執筆した背景は何でしたか。 自分らしい生き方・働き方を実現するための方法をお伝えしたいと考えたためです。私たちWarisは2013年に創業し、「Live Your Life すべての人に、自分らしい人生を。」というビジョンを掲げて、その実現に伴走しています。私自身は前職を含めて20年以上、のべ3万人以上の働く女性たちの声にふれてきました。 そのなかで、「自分の強みがわからない」「自分らしく働けるのは特別な人だけでは?」などと、自信を持てない方が圧倒的に多いと痛感しました。ですが、本来一人ひとりに強みがありますし、「自分らしく働く」ことは誰でも可能な選択肢です。そのためのヒントやノウハウをお伝えしたいと思ったのが、本書を執筆した背景です。 ──Waris創業時を考えると、人的資本経営とともに女性活躍やDEI(※)が広がり、日本企業での働き方も変わってきたかと思います。キャリアに関する悩みも変化してきたのでしょうか。 ※組織内で人材の多様性を実現するというD&I(ダイバーシティ・インクルージョン)にくわえ、公平性という意味のE(Equity:エクイティ)を重視する概念のこと 働き方の選択肢が多様になってきましたよね。独立してフリーランスになる方もいれば、会社員をしながら副業でフリーランスをする方も増えてきました。また、コロナ禍で会社員にもリモートワークが広がりました。働き方の選択肢が多様になっているからこそ、「自分はどうありたいのか」にモヤモヤや不安があるという方は増えていますね。 また、生成AIのめざましい進化が話題になるにつれ、AIやロボットによって自分の仕事が代替され自動化されるのでは、という不安の声も耳にします。 ■「自分らしく」の中身を掘り下げるには? ──自分らしく働きたいものの、「自分らしく」の中身を言語化できていない方もいると思います。そうした方へのアドバイスはありますか。 「自分らしく」の中身を掘り下げて言語化するためには、自分のことを知るというアクションが大切だと思うんですよね。これまでどんな経験を積んできて、どんな強みやスキルを得てきたのかを振り返ってみることが大切です。 自己分析には、主観をもとにする方法と、客観的に知る方法の2つがあります。前者の1つに「ライフラインチャート」があります。グラフの横軸に年齢、縦軸に充実度をとり、これまで歩んできた道のりを振り返ることで、ご自身がどういう状態だと心地いいのかが見えてきます。さらには、作成するタイミングによって異なる気づきが得られます。 年代を問わず「やりたいことがわからない」という悩みは多いのですが、感覚的に「こういう条件が維持できていると嬉しい」というのを考えてみるのがおすすめです。たとえば、「未知のことをやるとワクワクする」という方なら、現状を振り返って「最近新しい挑戦をしていなかったから、新しい業務に手を挙げてみよう」といった気づきを得られるでしょう。