何台思い出せる? クルマの新技術が次々と登場した1980年代|国産車が世界へと飛躍する夜明け|ハチマル前夜
三菱からは最強セダンが登場
フルラインターボ戦略を旗印に80年代を駆け抜けた三菱。軽自動車のミニカからフラッグシップスポーツのスタリオンまでターボエンジンを展開した。 ギャランもそのなかの1台で、その集大成とも言えるのが6代目だ。ギャランΣ(シグマ)と呼ばれた5代目はFF化され、高級志向の強いセダンだったが、6代目は三菱スポーツの技術を結集したセダンへと変貌。4G63型エンジンと4WDシステムを組み合わせたVR-4は、クラス最強セダンに君臨した。
ニッサンは新機構でさらなる高みに
ブルーバード U11/U12 大ヒットした6代目910の後を受けて83年にデビューした7代目のU11は、スタイルこそ910の面影を残すが、この世代からFFレイアウトを採用。時代のニーズに合わせて、広くて快適なセダンとして変貌を遂げたのだった。そして次世代のU12では、FFレイアウトを継承したコンパクトセダンとしての資質を高めている。その一方で伝統のSSSは大きく進化し、フルタイム4WDのアテーサを採用したSSS-Rはラリーでも活躍。イメージリーダー的存在となった。 >>【画像14枚】次々に新たなメカニズムや技術、装備が生まれた80年代。この10年こそが国産車が飛躍的に発展し、世界に通用するクルマが生まれた時代である。まさに日本の自動車産業は夜明けを迎えたのだった
スバルからはスポーツワゴンが誕生した
レオーネ 初代が71年に誕生したレオーネは、長らくスバルを支えてきた基幹車種で、一貫して水平対向エンジンを搭載。2代目で初めてワゴンを設定し、3代目で4WDモデルを初投入した。 レガシィ この歴史と伝統を受け継いだのが、89年にデビューしたレガシィだ。現代にも受け継がれているスバルのコア技術、水平対向エンジン+4WDのシンメトリカルレイアウトや、ターボエンジンはレガシィの代名詞。また、ステーションワゴンを一般的にした立役者でもある。 FFスペシャリティーカーの流れに、セリカも追随した。 85年秋にモデルチェンジ時にFFに転換し、カリーナEDという副産物も生んでいる。また、FFベースの4WDも一気に増え、セリカもフルタイム4WDにDOHCターボを組み合わせたGT‐FOURを設定。ちなみに4WDの多くはパートタイム式だったが、80年代後半にはフルタイム式が主役の座についた。 後輪駆動、FR方式のスポーツクーペも新しい時代の扉を開いている。ヨーロッパ車の独壇場だった高級スポー ツクーペの分野に進出したのがソアラだ。初代モデルはハイソカー旋風を巻き起こし、2代目は世界に通用するハイメカニズムを満載して次元の違う走りを見せつけた。 4気筒エンジンを積むスペシャリティーカーも、セリカの宗旨替えを受けて新しい境地に踏み込んでいる。後輪駆動にこだわり続けたシルビアは、4代目のS12系まではやんちゃな性格で、走りも荒っぽかった。が、5代目の S13シルビアはエレガントなクーペボディをまとい、ハイキャスやリア・マルチリンク式サスペンションなど、メカニズムの洗練度も高かった ハチマル世代は百花繚乱、どのジャンルのクルマも際立つ個性の持ち主ばかり。新たな技術や装備が次々に生まれ、欲しいクルマが多すぎて困った夢のような時代、それがハチマルだ。 初出:ハチマルヒーロー vol.47 2018年 5月号 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部