何台思い出せる? クルマの新技術が次々と登場した1980年代|国産車が世界へと飛躍する夜明け|ハチマル前夜
ニッサンからは国産車初のターボエンジン搭載モデルが登場
日産のセドリック/グロリアも元気だ。 79年6月に登場した430は日本で初めてターボを搭載。これに続くY30では日本初のV6エンジン搭載車を 投入し、華やかさにも磨きをかけている。続くY31ではフォーマルムードを封印。パーソナルムードを強め、クラウンとは違う世界を模索した。そして88年にはワイドボディにパワフルなV型6気筒エンジンを組み合わせたシーマを送り込み、一大旋風を巻き起こした。 パッケージングも駆動方式も70年代とは違うのがハチマル世代の特徴のひとつだ。広くて快適なキャビンを実現するために、多くのクルマがFF方式へと転換を図っている。ミドルクラスから下は、スポーティーカーまでもがFF方式を採用した。 セドリック&グロリア 430 国産車初のターボエンジンを搭載したことでも話題を集めた430。だが、それは日産の主力エンジンとして長く使われていたL20型にターボを装着したものだった。 Y30 83年にデビューしたY30ではエンジンを一新し、日本初のV型6気筒となるVG型を投入。頂点に君臨した3ℓターボのVG30ET型は230psというハイパワーを発揮。さらに内外装の高級化が加速し、高級車市場をリードした。 Y31 その流れを受け継ぐY31では、ブロアムと並んでセド&グロの代名詞となるグランツーリスモが登場。スポーティーセダンという新境地を開拓したのだった。
デートカーの地位を確立したプレリュード
デートカーとして人気だったスペシャリティーカーにもFF化の波が押し寄せた。その筆頭がホンダのプレリュードだ。82年11月にデビューした2代目のプレリュードは、低くスポーティーなデザインが好評を博し、このジャンルのベンチマークとなった。前輪にダブルウイッシュボーンサスペンションを採用し、日本で初めて4輪アンチロックブレーキも設定したのも、この2代目プレリュードだ。また、リトラクタブルヘッドライトも話題に。3代目ではさらに進化し、取り回し性向上のために4輪操舵の4WSも採用した。 プレリュード 2代目 78年に初代が誕生したプレリュードは、FFスペシャリティーカーとして北米でも人気を集めた。 3代目 82年デビューの2代目ではリトラクタブルヘッドライトを採用したほか、ワイド&ローフォルムが特徴で、デートカーと呼ばれるようになったのもこの世代だ。そして87年デビューの3代目は正常進化。スペシャリティーカーとしての要素を強めつつ、4輪操舵の4WSを採用するなど、スポーティーさにも磨きがかかり、これまたデートカーとして人気を集めた。