尊みを感じて桜井、コスプレを蔑まれた過去…「今では立派な仕事になりましたと胸を張って言える」
「この世界でやっていける気がする」の気持ちだけ
──18歳で上京し、この趣味が仕事に変わっていくのはどういう流れで? 桜井 コスプレイヤーの友人の紹介からです。友人は当時レースクイーンとして活動していて、そのお手伝いとして呼んでもらったんです。その衣装がとても可愛らしいうえに、友だちが写真を撮られる姿を見て、「私も撮られることを仕事にしてみたいな」という意識が芽生えたんです。 ──趣味だったことが仕事になると、楽しいだけではない部分……作品への向き合い方や意識の面も変わったかと思います。自分なりに大変だった部分はありますか? 桜井 本当に自意識過剰なのですが、元々何事も「やってやるぜ!」という挑戦者マインドの持ち主のため、「私なら大丈夫、この世界でやっていける気がする」と、なぜか思えたんです(笑)。 ──「自分の楽しいこと」のための行動を信じてやまないのは、ずっと変わっていませんね。 桜井 そうなんです。本当にその気持ち一つだけで活動を続けていたら、ありがたいことに徐々に声をかけていただけるようになって。ある日、コスプレイベントに参加したとき、これまでの月収を一日で稼いでしまったんです。このとき、本格的にコスプレを私の軸として頑張っていけるのではと、思えるようになりました。 ──それはスゴイ! 本当に秋田でにこやかにオタ活していた少女が、好きなことを見事仕事にして活躍しているのは夢がありますね。 桜井 今の事務所のみなさんの支えのおかげです。みなさんのおかげで誌面を飾ることもできていますから。なんやかんやここに来るまで理不尽な経験もしたし、嫉妬もされて、「何その活動?」とバカにされることもありました。今は「コスプレ、今では立派な仕事になりましたよ!」って、胸を張って言えます(笑)。 (取材・文/田口俊輔)
田口 俊輔