はやぶさ2から分離成功 探査ロボ「マスコット」リュウグウを本格観測へ
ミネルバ2からリュウグウの15枚連続画像
自転周期が7.6時間のリュウグウでは、昼の時間は3.8時間ほどです。太陽電池によって稼働する2機のミネルバ2-1は日が昇ると、発電を始め、十分に電力が確保されたらコンピュータの電源が入る仕組みになっています。そして、通信機器の電源が入ると、上空にいるはやぶさ2との通信ができるようになります。 はやぶさ2との通信が確立されると、はやぶさ2からの指令により、それぞれの探査ロボは自律モードになって、ホップします。1回のホップの滞空時間は約15分。1回のホップで水平方向に12~20メートルほど進みます。 ホップが終わると、何回かバウンドを繰り返し、ホップを始めてから45分から1時間後に静止します。はやぶさ2との通信が1時間くらいで終わってしまう場合は、その日の活動も終了しますが、2時間くらい続く場合は、静止後にその場で撮影や観測を続け、画像やデータをはやぶさ2に送ります。ミネルバ2にはメモリはほとんど搭載されておらず、はやぶさ2へ送信が完了し、通信がつながっていていれば撮影するしくみになっています。先ほど紹介したローバー1Bの15枚の連続画像も、このような手順で撮影されたものです。そして、リュウグウの自転によって夜を迎えると太陽電池での発電がなくなり、ローバーの活動は終わります。 9月27日の時点で、2機とも正常に動作していることが確認されています。はやぶさ2との通信がしっかりと確立され、リュウグウの表面でホップをした回数は、ミネルバ2の1Aが9回、1Bが4回。そして画像は1Aからは74枚、1Bからは38枚送られてきています。 9月30日から、はやぶさ2は探査ロボのマスコット着陸に向けての運用が始まっています。マスコットもミネルバ2-1と同じ中継機を利用するので、マスコットの運用中はミネルバ2-1とはやぶさ2との通信はなくなり、ミネルバ2-1の2機の探査ロボはしばらくリュウグウ表面で静止することになります。