ダンスと和太鼓とヨガを極めるインストラクター 不安定な日々が一変した「強烈な気づき」【ヨガで人生が変わった】
アメリカで深めた「私のヨガ」
夫の仕事の都合でアメリカで2年間暮らすことになった際、RYT200を取得しました。もっと早くに取る選択もあったのですが、私が最初に触れたヨガが海外でしたので、可能であればティーチャートレーニングも海外カルチャーのなかで取りたいと考えました。 念願叶ったこともうれしかったのですが、さらに喜ばしかったことは……。滞在地のノースカロライナは、決して都会ではありません。ニューヨークで触れたヨガとはまた別の、自然に囲まれた村の生活に溶け込んだヨガを体感することができたのです。本当に穏やかにのんびりとした空気のなかで、終始平和にトレーニングを終えることができました。それがとても幸せに感じられたのです。 現地のコミュニティ・インターナショナルワイブスの仲間たちに向けてヨガ会を開催し、インストラクションを担当。異国の地で暮らす女性たちの安らぎと憩いとコミュニケーションの場として、ヨガを提供できたことも大きな喜びとなりました。 大変なことは男性にも女性にも、性別を問わずそれぞれにありますが、特に、女性はライフステージの変化と合わせてホルモンバランスの変化が起こりやすく、それは心身ともに大きな影響を与えます。パートナーの仕事の都合に合わせて移住することもまた、大なり小なり心身に影響を与えるもの。そういう環境においてヨガをお伝えする役割をいただいたことは、その後の私の考えにも大きな影響をもたらしました。 生きていくなかで次々やってくる変化の渦のなかで、変わっていくものと変わらずにあり続けるものと、自分という存在とのバランスを取るためのツールとしてヨガを伝えていきたい。そのような想いが芽生え始めました。
ダンス・和太鼓・ヨガの3本柱で
アメリカでの暮らしを終え、帰国後は渡航前に勤めていた和太鼓スタジオに復帰しました。ヨガも、仕事と育児の合間を縫ってRYT500を取得。直後のコロナ禍ではオンラインレッスンに終始せざるを得ませんでしたが、状況が落ちついてからは各種インストラクターとしてだけでなく、さまざまな表現ジャンルの要素を取り入れたフィジカルアートのパフォーマーとしても国内外で活動を続けています。 ダンスと和太鼓とヨガ。一見すると全くの別物のように感じられるかもしれませんが、リズム・呼吸・体幹の意識・姿勢・精神性……と、追求していくと実はかなり親和性が高いのです。そして、私自身がさまざまな場面で積んできた経験や学びがすべて生きてくるものでもあります。ゆえに、他の何者でもない、一番自分らしい在り方なのです。
取材:鈴木彩乃 写真提供:水戸桜里枝