万博で有名に…サイバー攻撃仕掛ける可能性は十分、「関西ゆかりの企業」対策徹底を
被害の6割は中小企業
警察庁の統計では、2024年上半期(1~6月)の企業や団体のランサムウェア被害件数は、前年同期より11件増の114件。約6割を中小企業が占めた。盗んだデータを暗号化せず、情報を公開すると脅す「ノーウェアランサム」は5件増の14件だった。 ただ、警察に届け出ないケースが多く、統計上の被害件数は「氷山の一角」とみられ、森井名誉教授は「実際の被害件数は最低でも数十倍」と指摘する。
イセトーのように、手広く業務を受託する企業が攻撃されると、被害が広範囲にわたる。情報セキュリティーの「トレンドマイクロ」によると、イセトー関連で情報漏えいを発表した組織は、7月末時点で確認できただけで50以上という。 攻撃者はセキュリティー意識が低く、楽に攻撃できる企業を探している。大阪商工会議所経営情報センターの野田 幹稀(もとき)課長は「『中小企業だから狙われない』といった甘い考えは捨てるべきだ」と警鐘を鳴らす。(高橋)