石川遼Vの陰で首位スタートの河野祐輝に起きた「計3罰打」の悲劇 1ホール「+5」を招いた誤球ミスの詳細とは?
もし「誤球のプレー」後、正球が見つからなかったら?
ところで、このケースで「誤球のプレー」後、再度捜すことになった正球が見つからなかった場合、河野は暫定球を拾い上げている状況で、次のプレーと罰打はどうなったのでしょう。 とてもレアですが、実はR&A発行の「オフィシャルガイド」にずばりこのケースが例示されています。 オフィシャルガイドの18.3c(2)/4 「 プレーヤーが拾い上げた暫定球がその後でインプレーの球となる」に、以下のような解説が書かれてあります。 「規則に基づいて球を拾い上げることが認められていないときにプレーヤーが自分の暫定球を拾い上げ、その暫定球がその後でインプレーの球となった場合、そのプレーヤーは1罰打を加え、その球をリプレースしなければならない」として、次のように解説しています。 「例えば、ストロークプレーで、自分のティーショットが紛失するかもしれないと思ったのでプレーヤーは暫定球をプレーした。プレーヤーは元の球だと思った球を見つけ、その球にストロークを行い、暫定球を拾い上げた後になって、自分がプレーしたその球は元の球ではなく、誤球であったことが分かった。プレーヤーは元の球の捜索を再開したが、3分の捜索時間内に元の球を見つけることができなかった。 (この場合は)ストロークと距離の罰に基づいて暫定球がインプレーの球になったので、プレーヤーはその球をリプレースする必要があり、1罰打を受ける。また、プレーヤーは誤球をプレーしたことについて2罰打を受ける。プレーヤーの次のストロークは7打目となる」 つまり、上記のケースでは最終的に初球はロストだったので、暫定球(第3打)がインプレー。そのうえで、「誤球のプレー」の2罰打とインプレーになった暫定球を動かした1罰打の計3罰打を付加。プレーヤーは暫定球が元あったと推定される箇所にリプレースし、次が第7打になるのです。 ですから、もし河野の第2打がロストになった場合は、拾い上げた暫定球を元の箇所にリプレースし、次が第8打のアプローチになりました。 ということなので、ブッシュの中の正球が見つかって良かったということになります。
小関洋一