【きのこいぬ】小林大紀×上村祐翔 対談! 楽しい現場になりそう!
声の温度感を大事に
◆声の温度感を大事に◆ ――先ほど上村さんがすごくしっくりきたっていうお話がありましたが、役と自分で共通点というか、共感できるところがあれば。きのこいぬは難しいかと思いますが(笑)。 小林 (笑)。僕は似てるなって思うところが。 ――本当ですか(笑)! 小林 意外とあります。余計なことをやりがちだったり、おっちょこちょいな面が結構あるんです。きのこいぬって何を考えてるのかよくわからないですが、ふとした時に見せる気遣いだったり、抜けちゃっているところでちょっと「テヘッ! やっちゃった!」みたいなところは通ずるところがあると思います。 自分の子ども時代を思い出したり、甥っ子を見て観察したり、犬を飼っていたことがあるので、その記憶をたどったり、演じるうえでは、自分と似てるところと、記憶の中にあるきのこいぬっぽい何かを想像すると、やりやすかったかなと思います。 上村 うん、何かわかります。 小林 本当ですか。 上村 大紀とは出会ってから8年経ちますが、こうしてガッツリとレギュラーで一緒に絡むっていうのは最初に会った時以来で、そのときからずっと仲良くさせてもらっていて、でも会うたびにそんなに印象が変わらない不思議な存在なんです。 ――8年前から。 上村 変わらないですね。柔らかい雰囲気と可愛らしい空気感をまとってるんですが、演じるときはバシッと格好良く決めるところや、激しい感情をアウトプットする場面など、いろいろ見てきましたが、ある種掴みどころがない雰囲気というのが、きのこいぬの天真爛漫な雰囲気とかいろいろな表情に活かされているのは現場で見ていて思います。なので「らしさ」が詰まった役だと思います。 小林 嬉しい。役者冥利に尽きます。それで言うとほたるをやってるときの祐翔は、いつも見ている祐翔のさらに深くなったイメージというか。お互いに友達同士なので遊んだり騒いだりすることもあるのですが、そうじゃない大人な面の上村祐翔が見られるんです。落ち着いてるので、すごく助かる。 上村 ありがとうございます。助かる? 小林 安心して暴れられるので。 上村 確かに面白さのポイントかもしれない。第1話の収録のときにディレクターさんから言われたのですが、結構繊細な作り方をしてる作品で、日常を切り取ったショートフィルムのような作品だと。 小林 そうでした。 上村 ドキュメンタリーに近い感覚だと。だからこそ役者の自然な演技とか、声の温度感を大事にしたいと言われました。特に序盤は塞ぎ込んでいるところから始まるので、自分がひとりでいるときの時間の過ごし方を思い返しながらやるのがいいのかなと思って演じました。 自分だったら、ほたるのこの状況をどうするんだろう? ということをすごく感じながら演じているので、自分をさらけ出してしまう照れくささもありつつ、その分やりきるとすごくいいものになる、オリジナリティ溢れるものになっているのかなと思います。ほたる以外も、多分みんなそうだと思うし、その作り方が面白いよね。 小林 面白い。何回もトライさせてくれるし。みんなトライするたびに変わるけど、芯の部分は変わっていないじゃない。いつも格好いいなって思って見ています。 (C)蒼星きまま・徳間書店/星鳩町きのこ研究所