その日は必ずやってくる…『ONE PIECE』終了後の少年ジャンプに残された「3つの選択肢」
● 雑誌の廃刊には「2種類」ある まず最初に、雑誌の晩年についての話から始めます。 経済的な分類で言うと雑誌ビジネスの晩年は2通りあります。 衰弱にともなう廃刊と、役割終了にともなう廃刊です。ビジネス用語で言えば、前者は倒産や事業破綻の話で、後者はイノベーションの話です。 他の業界で例えれば、レンタルビデオ大手のブロックバスターが破綻したのが前者で、レンタルビデオビジネスが好調なうちに撤退して動画配信で成長したネットフリックスが後者です。 雑誌の場合、後者の廃刊の旬な事例が先日発表されたリクルートの『SUUMO』と『タウンワーク』の休刊です。どちらも来年2月ないしは3月にフリーペーパーの雑誌発行が終わります。スマホメディアがメインな形にビジネスモデルが変わったからです。 最近リクルートの中の人との交流をしていないので私の情報がちょっと古いのですが、リクルートの場合15年以上前から、紙メディアからスマホメディアへの移行計画を十分に練っていました。そのうえで、ビジネスとしての規模を維持しながら「何年後に紙をやめるのか」を計画しています。 リクルートのビジネスモデルは情報を届けて収益を上げることなので、メディアとしての効果を重視します。勢いが衰えて効果が低下した雑誌の存続は『SUUMO』や『タウンワーク』のブランドトータルから見ればマイナスなので、勢いのあるうちに雑誌を休止して、効果が高いスマホに移行するのです。 最近、同じリクルートの『ゼクシイ』がいまだに雑誌としてとても分厚いことが話題になりました。そういう需要があるジャンルでは相変わらず紙の雑誌を作る一方で、需要の大半がスマホに移行したジャンルでは、勢いが衰え始めた紙の雑誌は先回りして休刊するわけです。 さて、漫画誌の業界をこの衰退型とイノベーション型の原理を通じて眺めると、どのようにビジネスを捉えることができるでしょうか。