泥臭さ持ち味にプロで12年間プレー J1湘南、神戸などで活躍の大槻周平選手が引退
京都府福知山市初のJリーガー、大槻周平選手(34)が20日、現役引退を発表した。試合終了のホイッスルが鳴るまで、チームのために走り回り、泥臭くゴールを狙い続けた点取り屋。プロ生活12年間でJ1リーグ106試合8得点、J2リーグ170試合で32得点を記録したが、数字よりも、ガッツあふれるプレーや持ち前の明るい性格で多くのファンを魅了。惜しまれながら、ユニホームを脱ぐ決断をした。 今安出身。4歳上と1歳上の兄2人の影響を受けて6歳でサッカーを始め、小学生のころは修斉サッカークラブ、中学では福知山ジュニアユースに所属。福知山成美高校2年生のときには、全国高校サッカー選手権京都大会の決勝戦でゴールを決め、府北部勢の初優勝に貢献。大阪学院大学体育会サッカー部では、3回生のときに関西学生選抜に選出された。
■湘南に入団しJ1昇格に貢献、神戸ではチームの潤滑油に
気持ちを前面に押し出し、前線からアグレッシブな守備でチームに貢献できる万能型のストライカーとして、2012年に当時J2の湘南ベルマーレに入団。1年目には、当時の監督から技術だけでなく、プロとしての心持ちなどの姿勢を学び、厳しい練習にも必死で食らいついた。そのかいあって、シーズン終盤には貴重なゴールを連発。最終節でも1得点し、J1昇格に貢献した。 その後、全治6カ月の大けがを負い、苦しい時期を過ごしたこともあったが、復帰後は、豊富な運動量で攻守にわたって体を張る献身的なプレーに磨きをかけ、ハードワークを基本としたスピード感あふれる「湘南スタイル」を象徴する選手に成長。15、16年は主力としてチームを引っ張り、J1で活躍した。 さらなる活躍の場を求めて、17年にはJ1ヴィッセル神戸に入団。先輩後輩分け隔てなく「いじられる愛されキャラ」として、新加入選手と既存選手の潤滑油のような役割も担った。18年4月のガンバ大阪戦では、終了間際に劇的な決勝ゴールを決める活躍を見せた。また、スペインの至宝、アンドレス・イニエスタ選手ともプレー。世界レベルを体感した。