AIによる業務変革や日本の事業拡大を推進する--ワークデイのエッシェンバックCEO
米Workdayの最高経営責任者(CEO)を務めるCarl Eschenbach(カール・エッシェンバック)氏は、日本を最重要市場と位置付ける。9月に開催した年次イベント「Workday Rising 2024」で次世代AI基盤「Workday Illuminate」を発表したほか、日本市場での事業展開をさらに加速させるという。同氏にAIや日本に向けた取り組みを尋ねた。 --Workday Rising 2024は、単独CEO(2024年2月)となって初のイベントでした。手応えはどうでしたか。 今回のWorkday Risingは素晴らしいイベントでした。実来場者は過去最大規模の1万8500人を超え、オンライン含め約3万人です。日本からの参加者も過去最大でした。イベントで発表した中で、私たちが最も興奮したのは、Workday Illuminateです。 Workday Illuminateは、次世代のAIですが、Workdayにとって新しいものではありません。Workdayは、10年間にわたって機械学習やAIに取り組んでおり、今回のイベントでは、50種類以上のWorkdayプラットフォームにおけるAIのユースケースを紹介しました。Workday Illuminateは、この戦略を次のレベルに引き上げるものになります。 Workdayプラットフォームには7000万以上のユーザーがおり、非常に強力なデータセットが構築されています。これを基に、Workday Illuminateにより、「加速」「支援」「変革」の3つのユースケースと影響がもたらされるでしょう。 「加速」は最初のユースであり、生成AIが日々の業務における生産性向上を加速させます。2つ目の「支援」では、ユーザーにパーソナライズされたAIとチャットボットが日常業務をより円滑でシームレスなものになるようにします。そして3つ目は、Workday Illuminateが企業のビジネスプロセス全体を変革するもので、これは新しいAIエージェントによって実現します。 われわれは、2025年に「Workday Agent」の提供を予定しています。一例が経費エージェントです。ユーザーが経費報告書を撮影して送信するだけで、以降の処理をAIのエージェントが自動的に行い、ユーザーはデータを入力する必要すらありません。もう一つの例としては、人材採用業務を支援するエージェントがあります。このエージェントは、採用対象者をより具体的に特定するのに役立ちます。Workdayは、採用業務の遂行に必要なスキルを理解していますから、エージェントにより採用担当者の生産性を大幅に向上させることができます。 このようにわれわれは、Workday Illuminateを通じて、人の手作業を加速させ、日々の業務が円滑に遂行されるよう支援し、最終的にはビジネスのオペレーションを変革します。 --AIの戦略をどう考えていますか。今のお話では、人的資源管理(HCM)に関するAIの取り組みですが、もう一つの柱である財務管理領域でのAIの取り組みはどうなりますか。 先ほど述べたように、われわれの強みは共通のデータセットとデータモデルを持つWorkdayプラットフォームにあります。HCMと財務管理のアプリケーションは、同じデータセットやデータモデルを利用しており、このプラットフォームに新たなアプリケーションを展開することもできます。つまり、HCMや財務管理といった種類に関係なく、同じデータによって全てにAIを適用することができるのです。