五輪前哨戦の四大陸選手権で逆転Vを許した宇野昌磨に不安はないのか?
フィギュアスケートの四大陸選手権、男子シングルスのフリーが27日、台湾・台北で行われ、平昌五輪代表でSP首位の宇野昌磨(20、トヨタ自動車)は、4回転フリップの転倒などのミスの影響で計297.94点に留まり、一方、ボーヤン・ジン(20、中国)がフリートップの200.78点の計300.95の高得点を叩きだしたため逆転され2位に終わった。 エース、羽生結弦(23、ANA)の復帰経過が不透明だけに宇野にかかる期待値は大きいのだが……。宇野が五輪前哨戦で敗れた影響は本番に出ないのか。宇野は金メダル争いに参戦できるのだろうか。 宇野は、この日のフリーで冒頭の4回転ループを無事に着氷したかのように見えたが、回転不足の判定がついた。そして続く4回転フリップでは転倒。だが、後半は、リズムを取り戻し、4回転トゥループ+2回転トゥループの連続ジャンプ、4回転トゥループの2本の4回転ジャンプを綺麗に決めて見せた。結局、前半の2つの4回転ジャンプで冒したミスが響き、300点超えのボーヤン・ジンに逆転されたが、宇野自身は、「安心した。後半のトゥループが決まったことがうれしいです」と、ショックの色を見せなかった。 元全日本2位で現在福岡で指導にあたっている中庭健介氏も、宇野の手ごたえを支持。フリー後半の演技を高く評価した。 「前半の4回転ジャンプのミスで2位に終わりましたが、五輪への不安など感じませんでした。前半のミスよりも後半の演技が素晴らしかったと思います。2本の4回転トゥループも完璧でしたし、曲とリンクして完成度の高いプログラムに仕上がっていました。ジャッジは一般的に技術点に関しては、エレメンツごとに評価していきますが、演技構成点については、すべての演技が終わってから最後に評価します。それだけに後半の演技の印象度が与える影響は大きいのです。演技構成点が高い評価を受けたのは、後半のパーフェクトな演技を支持されたからでしょう」 宇野は、フリーの5つの演技構成点のうち4つで9点台をもらい、91.78点を獲得している。「パフォーマンス」では9.75をつけているジャッジもいた。 一方、優勝したボーヤン・ジンは5つの演技構成点のすべてが8点台で85.44点にとどまっている。演技構成点の高得点キープは、それだけ国際審判に宇野の演技力と存在価値が評価されていることの証明であり、その実績は、金メダル候補として平昌五輪につながるものだという。