2024年・ヒット商品を分析!トレンドの達人と振り返る「世の中はこうだった」あなたはいくつ当てはまる?気になる来年の予測も
プチ贅沢がトレンド
品田「逆に石塚さんや加藤さんは、今年よく買ったものなんかありますか?」 加藤「私、もう何本飲んだかわからない飲み物があって。『紅茶花伝 ころころ果実のフルーツティー』っていう商品なんですけど」 イチゴやオレンジ、桃などの果肉が入った紅茶飲料で、気合いを入れたい仕事前などに頻繁に飲んでいたという加藤。パッケージの可愛さや果肉感がお気に入りとか。 品田「実は定番の飲み物でも、ちょっとした変化で大ヒットにつながるんです」 そう言って例に挙げたのは、アサヒ飲料が発売した「未来のレモンサワー」。缶の中に本物のレモンスライスが漬け込まれた、世界初の缶チューハイです。アサヒ飲料は去年にも、蓋を空けると泡が湧き上がる缶ビールを販売し大ヒットしています。 安いレモンサワーなら100円ほどで買えるところを、この「未来のレモンサワー」は200円近くするにもかかわらずよく売れているとのこと。「本物さ」「お店で飲むような」といったキーワードがポイントになってくると言う品田さん。写真や動画で仲間と共有して楽しめるといった部分も、今の流行にマッチしているようです。 品田「今の言葉で言うと『ライブ感』というんでしょうか。動きがあるものに関しては、皆さんすごく喜んでいるような気がしますね」 少し高いけどちょっとした贅沢に、自分へのご褒美に、といったささやかな特別感を味わうのにもピッタリなのかもしれません。
大人も子どもも満足
石塚「私は今年、粒胡椒っていうのを初めて食べて、気に入りましたね」 すり潰して粉状にする前の胡椒を、そのまま料理に入れたりチーズに乗せたりして食べることにハマったと言います。 加藤「石塚さん、まさに今年はスパイスの年だったんですよ」 数年前から続くエスニックブームの流れで、今年もスパイス関連の商品が流行ったそうです。中でも1000万個以上を売り上げ大ヒットになったのが、ハウス食品の「クロスブレンドカレー」というカレールゥ。スパイス感を前面に押し出した風味が特徴のカレーです。 品田「スパイスって、やっぱりちょっと辛かったり大人の味になるじゃないですか。ところがこれは甘口まであって、お子様まで楽しめる」 甘口でもスパイスの香りを楽しむことができるため、子どもに合わせて甘いカレーを食べたり、大人用と子ども用で分けて作ったりしなくてもいいという部分がヒットにつながったのだそう。 共働き世帯が増加する中で、あわただしく家事をこなすお父さんやお母さんの支持を得た結果なのかもしれません。 来年も消費に関しては消極的な傾向になるであろうと予測している品田さん。課題の多い世の中ではありますが、気分が明るくなるようなヒット商品が生まれることが期待されます。 (吉村)