妊娠前の健康管理「プレコンセプションケア」はご存じですか? 受診の流れや検査内容も医師が解説!
プレコンセプションケアは何歳から受けられる? 検査内容は?
編集部: プレコンセプションケアは、何歳から受けられるのですか? 市川先生: 当院の場合は、初潮を迎えた全ての人が対象です。特に決まりはないため、性交渉や結婚といった何か自分の体や妊娠について考えるライフイベントがあった際に、プレコンセプションケアも一緒に考えていただけたらと思います。 編集部: 具体的な検査内容を教えてください。 市川先生: 医療機関によって若干の違いはあるかもしれませんが、基本的には問診、血液検査、身長や体重、BMIなどの身体検査、そして産婦人科的な検査をおこないます。 編集部: プレコンセプションケアは、ブライダルチェックとは違うのですか? 市川先生: プレコンセプションケアもブライダルチェックも明確に定義されているわけではないので、似たような意味合いで使われることもあります。一般的にブライダルチェックには風疹抗体の検査や子宮がん検診などが含まれ、プレコンセプションケアはBMIの測定や栄養指導などを含んでいることが多いですね。ブライダルチェックは妊娠前に病気がないかどうかを調べる検査で、プレコンセプションケアは身体づくりに重きをおいたケアという位置づけになります。
プレコンセプションケアはどこで受けられる? 受診の流れも解説
編集部: プレコンセプションケアは、どこで受けられますか? 市川先生: 性感染症や子宮がんの検査などは、一般の婦人科でも可能ですが、妊娠しやすい体づくりや栄養状態のチェックなどは、どの婦人科でもやっているわけではありません。より専門性の高いプレコンセプションケアを受けたいのであれば、プレコンセプションケアに特化したメニューを掲げているクリニックなどに相談することをおすすめします。ただし、プレコンセプションケアは自費診療となりますので、費用などは医療機関に確認しておきましょう。 編集部: 受診の流れを教えてください。 市川先生: 当院の場合は、問診、身長・体重・BMIなどの測定、婦人科検診、栄養の過不足を調べるための血液検査をおこなっています。問診をもとに生活習慣の見直しやアドバイスをしたり、採血結果に基づいて管理栄養士による食事指導も実施したりします。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 市川先生: プレコンセプションケアは妊娠しやすい体づくりだけではなく、妊娠時の高血圧や糖尿病、つわりの改善も期待され、さらには生まれてくる赤ちゃんの将来的な生活習慣病の予防にもつながると言われています。健康的な両親、そして元気な赤ちゃんが増えると、日本の活性化にもつながると思っています。もちろん、受けるのは早いに越したことはないですが、気づいたときからでも遅くはないです。生まれてくる子どもの健康診断だと思って、ぜひみなさんに受けてほしいです。