「引退試合を機に恩返しを」稀代のファンタジスタ松井大輔が見据える指導者としてのキャリア「Fリーグとも絡みながら色々やりたい」
強豪国は幼少期にフットサルで技術を高めている
12月15日、横浜FCのホームスタジアムのニッパツ三ツ沢球技場で、京都、欧州、磐田、横浜FCなどでプレーした元日本代表の松井大輔の引退試合が行なわれた。 【動画】吉田沙保里が香川真司を仕留める!霊長類最強のタックルで捕獲するも退場! 当日は、松井とクラブでともにプレーしたメンバーが中心の「MATSUI FRIENDS」と、日本代表で共闘したメンバーが中心の「JAPAN DREAMS」が対戦した。 最初は「MATSUI FRIENDS」のスタメンに名を連ねた松井は、現役時代に多くの観客を魅了したトリッキーなドリブルやトラップを披露し、9分と18分には三浦知良との絡みからゴールをマーク。 30分を過ぎて5分間のブレイクの後、「JAPAN DREAMS」に入った松井は、44分に大久保嘉人のクロスからネットを揺らした。 後半はベンチスタートだった松井は、65分に取られたブレイクの後、再び「JAPAN DREAMS」側でピッチに立つ。その後、試合は互いにゴールを奪い合う試合展開のなか、松井は78分、80分、85分、89分にゴールを決め、会場を沸かす。 終盤には「MATSUI FRIENDS」側で出場した元レスリング日本代表の吉田沙保里さんが香川真司にタックルを仕掛けるなど、大いに盛り上がった一戦は「JAPAN DREAMS」が12-6で勝利した。 試合後の会見で、松井は「たくさんの方々に見送られて、最後は自分らしいプレーがなかなかできなかったかもしれないですけど、皆さんと楽しくボールに触れられて、本当に幸せな時間を過ごさせていただきました」とコメント。 また、自身のサッカー人生を振り返った松井は、次のように語った。 「プロサッカーを京都で始めてから、Y.S.C.C.(横浜)で終わるまで、フットサルに関わったり、フランスやポーランドなどいろんな国にも行かさせていただきました。ファン・サポーターに支えていただいたことが大きかったですし、自分のプレーを監督や周りの人たちが見守っていたような気がしました。この引退試合を機にいろんな方々に恩返しができればなと」 松井は引退後、横浜FCのスクールコーチや浦和レッズのアカデミーのロールモデルコーチを兼任する傍ら、フットサルリーグ(Fリーグ)の運営母体である一般社団法人日本フットサルトップリーグの理事長も務めており、多忙な日々を送っている。そんななか、会見では第二のキャリアについて、改めてこう口にした。 「育成年代でのボールの扱いだったり、また、この前の(パリ)オリンピックでは(日本代表が)スペイン代表とやりましたけど、強豪国は幼少期にフットサルをやりながら技術を高めているし、サッカーIQが高いチームが勝つ可能性が高い。 そこの技術の向上は大事になってくるので、自分もコーチをやりながら、フットサルと両方の相乗効果が出る形が取れればと思います。Fリーグとも絡みながら、色々やりたい」 稀代のファンタジスタの今後の活躍が楽しみだ。 取材・文●金子徹(サッカーダイジェスト編集部)