【独自】岡山・吉備高原都市が完売見通せる状況に 販売不振から一転、強固な地盤に注目
岡山県が「福祉のまち」として打ち出したニュータウン構想から約半世紀。バブル崩壊を経て、長く販売不振にあえいでいた吉備高原都市の宅地(吉備中央町、計851区画)の引き合いが2024年度になって急増し、一転して年度内の完売も見通せる状況となっていることが18日、県への取材で分かった。 【地図】吉備高原都市 県によると、自然災害が激甚、頻発化する一方、1億年以上にわたって地震などによる変動を受けていないとされる吉備高原の強固な地盤が注目を集めたとみられる。24年度は既に43区画を販売。71区画に申し込みが入っており、残りはわずか37区画だ。 今年1月の能登半島地震も大きな契機となった。発生後、県の販売窓口には東京、大阪など全国から移住希望の問い合わせが相次ぎ、県は職員を増やして対応。南海トラフ巨大地震の発生が懸念される中で、吉備高原の盤石さを購入理由に挙げる人が目立つという。 宅地の分譲推進に向けて県はこれまで、価格引き下げをはじめとする打開策を講じてきたが、展望を開けずにいた。県の担当者は「突然の追い風で正直、驚いている。まさかこんな日が来るとは」と感慨交じりに話す。