[MOM4952]横浜FMユースFW横山俊介(3年)_大怪我から復活の点取り屋が大一番で大仕事!! 復帰後初得点で初戦突破に導く
[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [12.6 高円宮杯プレミアリーグプレーオフDブロック1回戦 愛媛U-18 1-2 横浜FMユース 広島広域公園補助競技場] 【写真】影山優佳さんが撮影した内田篤人氏が「神々しい」「全員惚れてまう」と絶賛の嵐 1年でのU-18高円宮杯プレミアリーグ復帰を目指す横浜F・マリノスユースに頼もしい男が帰ってきた。負ければ終わりの一発勝負。大怪我で離脱を余儀なくされていたストライカーが6日の愛媛FC U-18戦でヒーローになった。 FW横山俊介(3年=名古屋フットボールクラブ・EAST)は8月中旬に右膝半月板を損傷。保存療法で復帰を目指し、11月半ばに戦列に戻ってきた。しかし、プレー時間は限定的。今季のチームで得点源を担ってきた背番号9は自らの身体と相談しながらの出場を続けていた。 11月30日に行われたU-18高円宮杯プリンスリーグ関東1部の最終節(浦和ユース戦、1-1)も、後半からの出場。決して万全とは言えない中で今回の参入プレーオフを迎えた。 横山は後半のキックオフからピッチに立ったが、チームは開始早々の1分に失点。先制点を許し、追いかける展開となった。すると、流れを引き戻すべく、4-2-3-1の最前線で身体を張ったプレーでチームに貢献。泥臭いポストプレーに加え、187cmのサイズを生かした空中戦の強さでクロスボールに何度も立ち向かう。 「ゴール前に顔を出すことは冨樫(剛一)監督から常に言われていて、クロスが上がってくると信じて走り込もうと思っていた」(横山) ボックス内でターゲットとなり、味方のクロスに合わせるシーンが増えていくと、チームは13分に追い付く。FKの流れからDF奥寺湊(2年)がネットを揺らした。流れを引き戻すと、1-1で迎えた25分に横山が大仕事をやってのける。途中出場のMF上西遥喜(3年)が右サイドからクロスを上げると、横山が狡猾な動きで相手を出し抜き、得意のヘッドで合わせた。 「決まった瞬間は感情が昂り過ぎて、あんまり覚えていない」。頬を緩めながら回想した値千金の決勝弾は、自身が復帰してからの公式戦初ゴールでもあった。「夏場に怪我をしてから、外から見る機会が増えた。悔しい気持ちがあった分、チームに絶対に貢献できるようにと思ってピッチに入った」。 ようやくチームの勝利に貢献し、喜びもひとしお。自身が離脱してからチームも調子を落とし、好調をキープしていたリーグ戦でも苦戦。7月まで7勝1分け1敗だったものの、以降は4勝3分け2敗とペースダウンしたことを考えれば、想いが高まるのも無理はないだろう。 サッカー経験者の父とバレーボール経験者の母から譲り受けた運動能力とサイズを生かすべく、サッカーを始めた小学生の頃からFW一筋。高校入学と同時に親元を離れ、“トリコロール”のユニフォームを身に纏ったストライカーは最後の大一番でもチームに歓喜をもたらせるか。8日のガンバ大阪ユース戦でも、憧れのレバンドフスキ(バルセロナ)のように勝負強さを発揮してみせる。 (取材・文 松尾祐希)