市職員の名刺自腹の慣習、札幌市長「マッチしない」公費負担を検討へ
自治体職員は名刺を自腹で作っている――。全国のあちこちで古くから続く慣習について、秋元克広市長は20日の定例会見で、「(社会の)状況が変わり、違和感を感じる方も相当数いる。公費で作ることを検討しても良いのではないか」などと述べた。 【画像】 「名刺が支給されていないor自費作成が9割」調査も…慣習を改めた市長は 札幌市では、ごく一部の部署をのぞき、職員が自己負担で名刺を作成している。古く「個人の名刺を公費で作ることは好ましくない」という考え方があり、長年にわたり続いてきたという。 1979~2014年まで市職員だった秋元市長も、自腹経験者の一人。若手時代、「これが自費なのか」という感覚を抱いたこともあったが、「そういうものか」と受け入れた。ただ、社会の状況が変わり、公務で使うものに私費をあてるのは「マッチしない」と感じている。 「若い方、民間企業から転職してきた方。違和感を感じる方も相当数、出てきている。モチベーションの意味でも、改善していけるものがあれば改善していければ」(秋元市長) 現在は、職員ごとにデザインもバラバラだが、シティープロモーションの観点などから、統一感を持たせることも視野に検討する。職員の人事異動は4月が多いことから、来年度に向けて議論していきたいという。(原知恵子)
朝日新聞社