スマホがあればパソコンは不要? 意外と知らないスマホとパソコンのCPU性能差
結論から言えばPassmarkスコアはそれぞれ以下の通りです。 ・Ryzen 5 5600G:19878 ・Ryzen 7 5700G:24555 ・Apple A18 Pro:12896 Ryzen 7 5700Gには及ばないとは言え、デスクトップパソコンでロングセラーモデルとなっている内蔵GPU付きのRyzenに対して、モバイル向けであるApple A18 Proは健闘していると言えるのではないでしょうか。 仮にApple A18 Proを搭載したiPhone 16 ProにWindowsをインストールし、起動できたとしましょう。そして端末にモニターとキーボードを繋ぐことができたならば、そのスマホは「ミニPC相当」の性能は十分にあるレベルだと言えるでしょう。 つまり「スマホがあればパソコンは不要」というのが極論というのは、突き詰めると「スマホにミニPCとして使える機能がないこと」が問題なのであり、性能そのものは「ゲームをするにはちょっと物足りないPC」くらいのレベルに近づいてきていると見られます(※ハイエンドスマホの場合)。
「スマホがあればパソコンは要らない」時代が来つつある?
スマートフォンの性能向上と普及率の高さを考えると、「スマホがあればパソコンは要らない」時代が近づいているように感じられます。実際の若者のパソコン利用率を見てみましょう。 ■Z世代のパソコン所有率はどれくらい? 日本インフォメーションが実施したZ世代の情報収集・SNS利用についての調査によると、Z世代のパソコン所有率は27.8%でした。一方で、総務省が2024年8月に発表した「通信利用動向調査」によると、2023年のパソコンの世帯単位の保有状況は20代で65.7%。 一見結果が乖離しているように見えますが、これは「20代では6割越えの世帯がパソコンを所有している」ものの、「10代のパソコン所有率は極めて低い」ことをあらわしていると言えます。 ■学校でパソコンに触れても「家でパソコンを使わない」子どもも多い さらに経済協力開発機構(OECD)が行った15歳の学習到達度調査(PISA)によると、学校以外でパソコンやタブレットを毎日使う日本の子どもは4割にとどまるとのこと。 「GIGAスクール構想」をきっかけに小中学生には1人1台パソコンまたはタブレットが配布されましたが、その端末を自宅に持ち帰ることを禁じる学校などもあり、子どもが自宅でパソコンを触る機会が少なくなっているようです。
スマホが「ミニPC」の役割を果たす日が来る?
今回、本記事では最高峰のモバイル向けチップとしてApple A18 Proを取り上げましたが、2024年10月に正式発表されたクアルコムの次期ハイエンドスマートフォン用チップ「Snapdragon 8 Elite」の性能の進化も目覚ましいです。Apple A18 Proに匹敵するか、追い抜くレベルの高性能です。 スマホがミニPCを兼ね、ブラウジングや文書入力、簡単な表計算やソフトの利用を目的とした「家のデスクトップパソコン」「家のノートパソコン」の座を奪う日は意外と近いかもしれません。
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