原価4円の紙が100円で売れる…江戸時代から日本人を一喜一憂させてきた「おみくじ」のルーツ
■お伊勢参りに来た人は全員「大吉」のはず 現在は全国の神社でさまざまなおみくじが置かれています。 その神社でしか手に入らないオリジナルなおみくじもあれば、全国共通でよく見かけるおみくじもあります。最近は形がかわいいとSNSで話題になっているものも多いです。 ここからは、私が体験した範囲の中で、神社のおみくじに関する豆知識をお伝えしていきましょう。 ①伊勢神宮にはおみくじがない 外宮も内宮も「おみくじ」がありません。その理由は伊勢神宮のサイトでは以下のように説明されています。 ---------- 伊勢神宮には昔から「おみくじ」はありませんでした。おみくじは日ごろからお参りできる身近な神社で引くものでした。また、「一生に一度」とあこがれたお伊勢参りは、大吉でないわけがありません。その為、おみくじも引く必要がなかったと考えられます。 (伊勢神宮のサイトから引用) ---------- 言われてみれば確かにその通りですね。 その代わりではないでしょうが、伊勢神宮の門前町にある三十三銀行おかげ横丁出張所のATMは、なんとおみくじ機能付き。利用明細裏面に運勢が印刷され、大吉が出るとプレゼントがもらえるとか。他銀行のカードも使えるようなので今度行った時は試してみようと思います。 ■自由に解釈できる「吉凶なし」おみくじ ②吉凶が書かれていないおみくじがある 明治神宮のおみくじには吉凶が書かれていない「大御心(おおみこころ)」という独自のものです。 表面には、明治天皇と昭憲皇太后が多数詠まれた和歌から教訓的なものを15首ずつ、合計30首選んだものが、「大御心」として印刷されています。裏面にはその和歌の意味と解説が英訳とともに書かれています。参拝者はそこから何かしら自分にあった教訓を導き出します。 出雲大社のおみくじも吉凶が書かれていません。代わりに「教訓」と「運勢」が書かれています。 このように吉凶が書かれてないおみくじは、エンタメ性は薄れますが、自由に解釈できるので結構好きです。