「私の人生、終わったな」恋も仕事も順調だった27歳で突然“卵巣がん”宣告…大企業出身の女性(32)が明かす、がん発覚の経緯
「卵巣が腫れている感じがします」卵巣がんが発覚したきっかけ
――婦人科系の悩みもなかったですか。 長藤 それもまったくなかったんです。周りの女の子たちが生理痛に悩んでいたり、生理不順で大変みたいな話を聞く中で、自分は本当に予定日ピッタリにきて、生理痛もほとんど感じたことがなかったです。 ――病気の予兆をまったく感じさせませんが、どのようにして卵巣がんが発覚したのでしょうか。 長藤 たまたま会社からインセンティブをいただいたので、ちょっといいお宿をとって温泉で年越しをしようとしてたんです。そうしたら、直前に生理がかぶってしまうことがわかって。 せっかく背伸びしていいお宿を予約したのに温泉に入れないのはもったいないと思って、生理の日をずらすためにピル使おうと思ったのが、診断のきっかけになるんです。 ――温泉のために婦人科に行ってピルを処方してもらおうということで。 長藤 ピルってネットでも買えるんですけど、毎日20時まで仕事していると再配達も面倒だなと思って、クリニックに行こうと思ったんです。 ただ、婦人科って待ち時間が長いし、初診だと初診料もかかるじゃないですか。だからその婦人科の待合室でも、「診察無しでいいから薬だけサッとくれればいいのに」ってずっと思ってて(笑)。 でも、その内診で、「卵巣が腫れている感じがします」と言われたんです。
都内の大きな病院で検査したらMRIまで撮ることに…
――長藤さん自身には違和感とか、なにか症状はあったんですか。 長藤 まったくなかったので、「卵巣が腫れている」と言われても全然ピンとこなくて。ただ先生も、「いずれ心配になったら一度大きな病院で診てもらってもいいかもね」くらいな感じで終わったんです。 ――危機が迫っているような感じではなかったと。 長藤 まったくなくて。女性って、生理周期によって排卵日があるような感じで、卵巣が腫れやすいタイミングもあるのかな、くらいに受け止めていました。 で、温泉も行って、年が明けて初詣に行ったとき、「今年一年、健康で過ごせますように」と手を合わせながらお願いした瞬間、ふと、年末に言われた先生の言葉が蘇ってきてモヤモヤしてきたんです。 ――健康をお願いするときに卵巣のことを思い出して。 長藤 大きな病院で「大丈夫」と太鼓判をもらえば安心できるかなと、会社から歩いてすぐの慈恵医大病院にかかったんです。 ――都内の有名病院ですよね。 長藤 朝いちで行ったので、ちょっと検査してもらってすぐ営業に戻ろうと思っていたんですけど、電車に乗って別の場所でMRIまで撮ることになってしまって。