箱根出場校それぞれの高校生スカウト戦略 強い留学生は「リスクが…」、他校と競合した時に掛ける言葉
「箱根駅伝監督、令和の指導論」 中央学院大・川崎勇二監督/第3回
第101回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)が1月2、3日に行われる。「THE ANSWER」は令和を迎えた正月の風物詩を戦う各校の指導者に注目。チーム強化の原点は、スカウティングにある。大学4年間という期間、1学年での人数が限られている中では、いかにいい選手を獲得できるかが強いチームを作る上で重要なポイントになる。中央学院大は、スカウティングにおいて、どのような選手に注目し、どのような戦略を立てているのだろうか。(全4回の第3回、聞き手=佐藤 俊) 【画像】今年の箱根駅伝で話題になった「山の名探偵」の写真 ◇ ◇ ◇ ――スカウティングの際、川崎監督が重視するのは、どのような点ですか。 「昔は、粗削りな選手をよく探していました。フォームはめちゃくちゃですが、そこそこ走れる。そういう選手が成長すると、これがけっこう走れるんですよ。今は、そういう選手を探すのは難しくなりましたが、一番重視しているのは積極的なレースをできるかどうかですね。14分30秒でも一人で走って出すのと集団のうしろについて出すのでは、まるで意味が違います」 ――レースを見るとなると全国、いろんなところに飛び回る感じでしょうか。 「うちには、3人のコーチがいますので、彼らに見に行ってもらって動画を撮ってもらい、彼らと話をする中でいいなという選手については、何かの大会の時に私が見にいくようにしています」 ――高校生と面談する際、チェックするポイントはありますか。 「目を見て、モノが言えるかどうか。そこが最低の基準ですね。それに人の話をきちんと聞けるか、自分の考え(目標)をしっかり持っているか、を見ます」 ――高校生によっては、うまく話ができない子もいると思います。 「そういう子もいますね。『これからどうしたいのか』と聞いても何も答えない。『大学でやってみたいことがあるか』と聞くと、『箱根を走りたい』とボソッという子もいます。性格的なものもあるので、うまく話ができないのは仕方ない。でも、目標を持てば自然と話ができてくるので、そこは心配していません」 ――他大学と競合する際、どういう言葉をかけるのでしょうか。 「面談の場では、『箱根がすべてじゃない。4年間で君を潰す気はない。箱根の先で日の丸をつけたり、世界に挑戦したり、その途中の4年間を私に見させてほしい』とハッキリと言います。今、4年生の吉田(礼志)も『将来、君はマラソンで成功する。4年の間の2年間でマラソンを走る体を作ってあげるし、君に合う実業団に行ってもらいたい』という話をして来てもらいました」