前橋育英が流経大柏に2-0で勝利し2連勝 前橋育英・山田耕介監督が明かした勝因
9月22日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2024 EAST第15節が各会場で開催。流通経済大学附属柏高校グラウンドで流通経済大学(千葉)と前橋育英(群馬)が対戦した。試合は2-0で前橋育英が勝って、前節に続き勝利を収め勝点を「20」に伸ばした。 【フォトギャラリー】流通経済大柏 vs 前橋育英 序盤から押す前橋育英は8分と9分、CKの流れから決定機を作るが、バーやポストに嫌われ、ゴールならず。その後もチャンスを演出するなか、迎えた24分、DF29瀧口眞大のクロスにゴール前、MF11黒沢佑晟が頭で合わせ、先制。 1-0で折り返した前橋育英は後半1分、MF30柴野快仁の果敢にドリブルを仕掛け、PA内でシュート。このこぼれ球を最後はFW15佐藤耕太が押し込み、開始早々に追加点を挙げ、ゲームの主導権を握った。 2点差とされた流経大柏。ロングボール、カウンターを多用しあって陣内に進入。セットプレーから得点機をうかがった。なかでも途中出場の流経大柏FW19粕谷悠が前線で起点になりながら12、25分と惜しいシーンを見せ、前橋育英を圧倒する時間帯があったが、GK1藤原優希のナイスセーブやDF4青木蓮人らの身体を張った守備、阻まれ、無得点に終わった。 試合を振り返れば、前半は前橋育英。後半は流経大柏のペースとはっきりと分かれた。そのひとつの指標となるのがシュートの数。前橋育英(前半8本:後半3本)×流経大柏(前半4本:後半12本)しかし、首尾よく点を重ねつつ、積極的守備で相手の攻勢を抑えた前橋育英に軍配があがった。 「相手に普段のプレーをさせなかったこと」と勝因を語った前橋育英・山田耕介監督。 指揮官は流経大柏が鹿島アントラーズユースに4-3の打ち合いを制した前節の試合をチェック。その時に気が付いたのは流経大柏のウィングバックがフリーになっていたこと。ならばと山田監督は布陣を4バックから3バックにし、さらに相手と同じ3-4-3のミラーゲームに持ちこみサイドを封殺しようとした。それが功を奏した。さらに後半、流経大柏が4バックにすると、4バックに合わせ、終盤は5バックを敷いて流経大柏の猛攻をしのぎ切った。 「立ち上がりから相手の入り方や布陣をよく見たうえで、何が一番うまくハマるのかを考えて、自分たちの判断で布陣を可変させました」と振り返ったDF4 青木によれば、対流経大柏戦に向け、チームは今週2度対策ミーティングを行い、長所と短所を徹底的に頭に叩き込み、臨んだという。 また1点目をアシストしたDF29瀧口は「練習から守備の対応をイメージしながら、特長を理解してプレーできました。どう守るのか共通理解ができていました」と分析に基づいたトレーニングの効果が顕著にみられた。 まさに準備の賜物。しかし、これだけではない。しっかり反省も生かされている。 前々節の第13節、昌平戦でのこと。前橋育英は前半2点先制したものの、後半3失点し逆転負けを喫した。 「(昌平戦では)後半、立ち上がりから集中が切れてしまい、相手の強みを出させてしまいました。なので前節の川崎U18戦(1‐0の完封勝利)からは全員で絶対に強みを出させないように最後までやり切ろうと意識しました(DF29瀧口)」 川崎フロンターレU18戦、そして流経大柏戦での連勝は、前橋育英をさらに勢いづけるはずだ。 (文・写真=佐藤亮太)