ソフトバンク・小久保監督「どこを切っても本気の血が…」 宮崎秋季キャンプに合流し再始動
本気になりチャンスをつかみ取れ!ソフトバンクの小久保裕紀監督(53)が9日、宮崎で行われている投手陣の秋季キャンプに合流した。投手陣全体が若返り、競争は激化している。加えて和田が引退し、実績十分の石川がFA権の行使を表明している状況でもある。周囲を超える本気で台頭してくる若鷹の姿に期待を込めた。 言葉こそ短かったが重いメッセージだった。グラウンドに姿を現した小久保監督は「2024年は過去のこと。2025年に向かい動かないといけない。投手陣は特にチャンスがある。1軍のローテまたは中継ぎに入れるように、11月、12月、1月を過ごしてください」と訓示した。 若手の台頭が目立ったシーズンでもあった。先発では前田純、松本晴が後半戦にプロ初勝利。ルーキーでも支配下の5投手全てが1軍登板を果たし、3人が白星を挙げた。救援でも杉山、尾形が頼もしい存在感を示した。チーム防御率2・53をマークし、リーグ優勝の原動力となった。 その一方で立場が確立されているわけではない。今年足掛かりをつかんだ選手の来季の飛躍にも期待がかかるが、裏を返せば他の若手もアピールできれば競争の輪の中でチャンスは生まれてくる。ベテラン・和田が引退。球団は引き留めを計っているが石川がFA権の行使を表明している。 指揮官は「(先発も)6枠のうち仮に石川が抜けたら、最大でいえば3のチャンスがある。こんなチャンスはなかなかない。そこを絶対につかみ取ってやろうと、どれだけ本気になれるか。どこを切っても本気の血が流れているというくらい、目の色を変えてやれるかだと思う」と思いを口にした。 もちろん、全選手が1軍での活躍を目指して本気で取り組んでいる。その中で周囲を超えた本気で臨めるか――。現在はベテランとなっている中村晃の若手時代を挙げて「まさか1500試合以上出る選手になるとは思わなかった」。やはり「周りとは違った」と振り返る。米・アリゾナの自主トレをともにした経験もあるが“つかみ取ってやる”というギラついた雰囲気を出していたという。 チャンスはある。リーグ連覇、そして来季こそは日本一へ。充実のオフを過ごし、見違えた姿で来季を迎える若鷹の姿に指揮官は期待している。 (木下 大一) ≪日本一奪回へメンタルコーチ導入≫ リーグ連覇、日本一奪回を目指すソフトバンクが来季に向けて「メンタルコーチ」を導入した。 選手にパフォーマンスを最大限に発揮させるためのメンタルスキルを身につけさせることが目的。これまでもトップアスリートに指導した経験がある伴元裕氏(39)がメンタルパフォーマンスコーチの肩書でチームに加わり、1軍からファームまでを管轄する。 すでにキャンプ地でグループセッション等が行われており、選手にも好評。各選手それぞれに異なるアプローチで、緊迫した場面でも輝くことができるマインドセットに導いていく。