自律神経に悪影響の「スマホ首」 姿勢改善のために意識すべきことは?
呼吸を整える際は胸を開こう
(左)は悪い例です。近年よく見られる「巻肩」と首が前に下がる「スマホ首」。当然、軸も整わず、呼吸が浅くなります。 (右)が「胸を開く」のよい例です。「胸を開く」とは、胸郭を広げ、肩甲骨を引き下げること。さらに、顎を引いて頭の位置を正すことで、呼吸の通り道が確保され、呼吸が深くなります。 和儀では、胸を開くことと呼吸を整えることが、密接に関連していると考えています。胸を開くとは、胸郭を広げ、肩甲骨を引き下げることで、呼吸がしやすくなり、深い呼吸ができる状態となります。 この際、姿勢も重要です。肩を下げて背中を伸ばし、肩甲骨を意識的に引き寄せることで、自然と胸が開きます。また、顎を引いて頭の位置を正すことで、呼吸の通り道が確保され、呼吸が深くなります。 胸を開いて呼吸をすることで、まず体内に取り込まれる酸素量が増加し、全身の血行が促進されます。その結果、細胞への酸素供給が改善され、これまでお伝えした代謝が向上、副交感神経を優位にすることなどが早まります。胸を開いて呼吸を整えることは、心身の健康を保つ近道です。 さらに、胸を開くことで自信が高まり、ポジティブな気持ちになるとも言われています。姿勢が整うことで、心も安定しやすくなり、精神的な安定を保つことさえできるわけです。 私は、胸を開いて呼吸を整えることを日常生活に取り入れるよう推奨しています。より健康で充実した生活を送るためには心身のバランスが重要です。姿勢を意識し、呼吸を深めることで、身体の内外にわたる調和が取れ、心身ともに健康な状態が保たれるのです。
茂山千三郎(狂言師)