メルカリで返品詐欺? パーツ破損でキャンセルのはずが「ゴミ」に…出品者「安心して利用できない」
「メルカリで返品詐欺にあいました」。こんなXの投稿が、波紋を呼んでいます。結果的に、投稿者は補償を得られたものの、弁護士ドットコムニュースの取材に対し「このままでは誰も安心してメルカリを利用することができないと思います」と話しました。 【画像】返品されてきた商品は、パーツが抜き取られた上にゴミが入っていた インターネットにおける個人間の取引は、トラブルがあった場合には解決が非常に困難です。今回、いったい何があったのか。トラブルの経緯や法的な問題、そしてこのようなトラブルに見舞われた時の対処法や自衛策について検討します。(弁護士ドットコムニュース編集部・弁護士/小倉匡洋)
●「パーツ破損」でキャンセル申請
投稿者によれば、メルカリで新品未開封のプラモデルを出品したところ、商品が購入者のもとに到着してすぐ、購入者から「パーツ破損」を理由にキャンセル申請があったそうです。 特に疑うこともなく応じたところ、着払いで返品されてきたのは、中身のパーツがほとんど抜き取られた「骨組み」だけ。しかも、くちゃくちゃになった包み紙のようなゴミまで入っていたそうです。 後でわかったことですが、実は、送ったプラモデルの中身が抜き取られたのではなく、送ったプラモデル(新品未使用)とは異なる、別の似たプラモデルの箱(中身も使われて骨組みだけになったもの)が送られてきたのです。 投稿者は、これは“返品詐欺”ではないかと考え、メルカリに問い合わせました。
●メルカリは当初、補償は拒否→Xで反響後に補償に応じる
メルカリは当初、次のように返答しています。 ・「サポートの継続が困難と判断し、事務局にてキャンセルを実施いたしました」 ・「本件でのお客さま間の仲介及び、事務局で取引メッセージの再開をすることや、補償などの対応は行っておりません」 ・「弊社に対して捜査機関から被害に関する連絡がございましたら、内容を確認のうえ、捜査協力という形での対応を検討いたします」 事務局が取引をキャンセルし、以後の対応を行わない――。これは商品は返ってこないし、お金も払ってもらえないことを意味します。 また事務局は、捜査機関からの連絡があれば対応を検討するといいます。 しかし、警察に動いてもらうのは大変です。弁護士に依頼することも考えられますが、告訴状の作成・提出の場合、安くても10万円程度、場合によっては数十万円以上かかります。 さらに、それならば購入者と直接交渉するために、相手方の連絡先などを教えてもらいたいわけですが、メルカリはこれにも応じません。 投稿者はメルカリに対して、これは購入者側に一方的に有利な対応で、不平等であることを訴えました。X上にも、メルカリの対応に対する批判や、投稿者と同様の被害に遭ったが泣き寝入りしているといったコメントが多数寄せられました。 するとその後、メルカリのSNS担当者から、経緯の見直し、補償の検討をしている趣旨の連絡が来ました。そして投稿から3日後の11月14日、メルカリから「本件については補償をさせていただきます」「販売利益を入金いたしました」という連絡がありました。