メルカリで返品詐欺? パーツ破損でキャンセルのはずが「ゴミ」に…出品者「安心して利用できない」
●警察への被害申告
メルカリの対応に期待できない、直接交渉も難しい、ということであれば、警察に被害申告することも考えられます。 先に検討したように、もし返品詐欺であれば何らかの犯罪が成立すると考えられますから、大変ではありますが、被害申告自体は可能でしょう。 しかし、この場合でも、警察から、「本当に詐欺をされたのか」とか、「実は最初からまともな商品を送っていなかったのではないか」などと、逆に疑われてしまうおそれもあります。
●しっかりと証拠を保全し、自衛すること
そこで、利用者にとってできることは、とにかくしっかりと証拠を保全し、自衛することです。 警察に申告する際だけでなく、トラブル解決全体にいえることですが、たとえば、物を売る際には、梱包から送付までの写真をきちんと撮って保存する必要があるでしょう。 ただし、写真を多く撮影しても、「梱包する写真を取った後に、梱包から中身を抜きとって送付した」と言われてしまう危険性もあります。 そこで、梱包から送付までの一連の流れを動画で撮影しておく方法もあります。商品を梱包するところから、コンビニや郵便局で送付するところまで一連の流れを、一本の動画に残していれば、さすがに売主が嘘を言っている、と疑われることは防げるでしょう。 大変面倒ですが、現状のリスクを考えた場合、自衛手段としてはこのくらいやらないといけないかもしれません。
●おわりに
以上のように、インターネットにおける個人間の取引は、トラブルがあった場合には解決が非常に面倒です。 今回の件で、メルカリに対しては、個人間の取引から利益を得ている会社なのに、トラブルがあった場合には個人間の取引だからという理由で何も対応しないのはおかしい、という強い批判がありました。 今後、対応が変わるのかどうかはわかりませんが、現状では、トラブルがあれば、利用者個人が一方的に不利益を受けるリスクがある、ということは事実です。 取引相手が信頼できるかを見極めることや、個人間の取引には常にリスクが伴うという意識を持ち、高額商品の取引には特に注意するなど、慎重な利用を心がけたいものです。