総登録者50万人超の成功要因とは何か?: ディップ SNS担当マーケターに聞く、フォロワー数100倍へ伸長した秘訣と新事業への想い
マーケティングを考える際に、もっとも重要なことは何なのか? ターゲットの真のインサイトを見抜き、コミュニケーションの深度を高めることはなかなか難しい。 総登録者50万人超の成功要因とは何か?: ディップ SNS担当マーケターに聞く、フォロワー数100倍へ伸長した秘訣と新事業への想い DIGIDAY[日本版]のインタビューシリーズ「LOOK INSIDE!─マーケターの思考をのぞく─」では、企業の成長につながった施策や事業を切り口に、そこに秘めたマーケターの想いや思考を追っていく。 今回は、求人情報サービス「バイトル」を運営するディップ株式会社でソーシャルメディア課長を務める寄藤紀子氏に、同社の新事業である「ビズリアル」(SNSを活用したコンテンツサービス)に秘めた想いを聞きつつ、同氏のマーケティング思考に触れた。 ◆ ◆ ◆ DIGIDAY編集部(以下、DD):ディップのSNS施策、大変好調ですね。 寄藤紀子(以下、寄藤):ありがとうございます。TikTokとYouTubeのアカウントがメインで、総フォロワーは現在約56万人*(TikTok:約38万人、Youtube:約18万人)に増えました。私がリーダーを務めるソーシャルメディア課で運営しており、エンタメコンテンツの投稿やファンの獲得に注力しています。私が入社した時点では、まだ総フォロワー数が5600人ほどでしたから、大きく成長できたと思っています。 *YouTubeでは「チャンネル登録者数」、TikTokでは「フォロワー数」をフォロワーとして合算。2024年4月2日時点の実績。 DD:100倍に増やしたということですか!? 寄藤:はい、そうです。体制整備が大きな転機で、チームで役割を分け、同じ方向を見ながらもそれぞれで推進できたことが大きいですね。課のメンバーは私を含め4人ですが、社員インフルエンサーの鈴木(バイトル会社員もも)を始め、ビズリアル担当の伊藤、橋本がそれぞれ担当をリードし、他部署や制作パートナーと並走して業務を進めています。とても嬉しいことに、メンバーは社内でも継続的に表彰されており、成果を出し続けています。 また、専任の課を作ったことも大きな特長だと思います。多くの会社は、マーケティング業務の傍ら、SNS運用をされているパターンが多いのではないでしょうか。私たちのように、SNSだけの専任チームを作れるということは、会社から大きな投資をしてもらっていると考えているので、期待に応えられるように励んでいます。 DD:SNSを拡充するそもそもの動機や背景は何だったのでしょうか? 寄藤:弊社は、「私たちdipは、夢とアイデアと情熱で社会を改善する存在になる」というフィロソフィーを持っています。これが、さまざまなマーケティング施策や組織体制づくりのベースになっていて、その一環でSNSに情熱を持って取り組んでみたらどれくらいユーザーとのタッチポイントが増えるのか? という想いが、そもそものきっかけでした。 加えて、求人サイトは差別化しにくいという「ブランド」としての課題、プッシュ型のプロモーションが受け入れられなくなっているという「ユーザー」に対しての課題、そして、届けたいメッセージを訴求する場所や届け方がわからないという我々の「クライアント」の課題がありました。この3つの課題を、SNSを使って解決できないかと考えたんです。 寄藤 紀子/ディップ株式会社 商品開発本部マーケティング統括部 コミュニケーション戦略部ソーシャルメディア課課長。国内大手化粧品メーカー、外資日用消費財メーカーを経て、2023年にディップへ入社後、同年にソーシャルメディア課課長に就任。二児の母。現在はポケモンのアーケードゲームにハマり、子どもと一緒に週末はゲームセンターに通い詰める日々を過ごす。お気に入りのポケモンは『ザシアン』。