なぜデロリアン「DMC-12」のようなステンレスむき出しのクルマが現れないのか? 現代のクルマがステンレスボディを採用されない理由をお教えします
ボディが丈夫すぎると乗員にも大きな負担を与えてしまう可能性が…
また逆に、ステンレスのように強い金属は衝突時に変形しづらいため、事故などで衝突した際、乗員がボディで吸収しきれなかった衝撃波をまともに受ける危険性もある。つまり、ボディが丈夫すぎると、周囲の安全だけでなく、乗員にも大きな負担を与えてしまう可能性があるといえるのだ。 以上は、前述の通り、あくまで筆者の推測だが、ステンレスボディのクルマがほぼ市場に出ていないことは間違いない。そのためDMC-12のような個性的な外観を持つクルマは、なかなかお目にかかる機会はない。 ただし、カスタムの手法には、「ヘアライン塗装」というものがある。これは、一般的な外装を持つクルマに塗装することで、ステンレスの表面をサンドペーパーで削ったような見え方にできるカスタムペイントだ。また、カーフィルムをボディに施すラッピングでも、ヘアラインのシートを使う手法があり、いずれも、外観をかなりワイルドにできるし、外装のサビも出にくくなるといったメリットもある。 興味のある人は、自分の愛車に、こうしたカスタムを施してみるのも面白いかもしれない。だが、その際は、くれぐれも違法改造にならないような範囲でやることをおすすめする。
平塚直樹