F1デビュー決まったベアマン、F2では苦戦続き「F1サウジアラビアでの代役が大きかった」と回顧
来季ハースからF1にデビューすることが決まったオリバー・ベアマンは、F2で苦しいシーズンを送る中、カルロス・サインツJr.の代役としてフェラーリからF1サウジアラビアGPを走ったことが大きかったと振り返った。 【動画】ブラッド・ピット主演のF1映画、2025年の公開を前にティザー映像が先行配信 ベアマンは先週、ハースのドライバーのひとりとして来シーズンからF1を戦うことが発表された。ベアマンのF1昇格はしばらく前から決まっており、現在チームに所属し、F1での将来が危ぶまれているケビン・マグヌッセンも驚かなかったと語った。 「僕はそれを4ヵ月も前から知っていたよ」 「4ヵ月前から(ベアマンのF1デビューが)決まっていたわけじゃないけど、そうなることは分かっていた。だから僕にとってこれはニュースじゃないよ」 4ヵ月前といえば、サインツJr.が虫垂炎によりサウジアラビアGP欠場を余儀なくされ、急きょベアマンが代役として実力を発揮するチャンスを得たタイミングと合致する。 F1史上3番目に若い18歳のドライバーとなったベアマンは印象的な走りを見せ、予選11番手、ミスのないレースで7位とフェラーリにとって重要なポイントを獲得した。 「サウジアラビアでは僕の実力を示すことができたと思うし、ルーキーや経験不足でも普通の集団からそれほど遅れていないということを証明できたと思う」とベアマンはイギリスGPで語った。 「サウジアラビアでは良い走りができたと思うし、F2がこういうシーズンになっている以上、それを無視することはできない」 「フリープラクティスではまだいい仕事ができると感じていたけれど、サウジアラビアGPが今ここにいる大きな要因になっていると思うから、うれしいよ」 ベアマンは昨年F2でランキング6位を獲得し、ルーキーとしてはヴィクトー・マルタンスに次ぐポジションにつけた。しかし今季は期待通りには進んでいない。 サウジアラビアではF2でポールポジションを獲得したものの、F1代役出場のためF2のレースは欠場。その他のレースも思い通りにはいっておらず、バーレーン、メルボルン、シルバーストンでは接触事故に巻き込まれ、バーレーンとレッドブルリンクではテクニカルトラブルに見舞われた。 「これまで以上に高いレベルでプレーできていると感じている。でもバルセロナでは文字通り最下位に終わった。昨年は3秒差で優勝した場所だ」 「まだ(その原因について)答えは出ていない。その一貫性のなさを、自分自身のせいではなく、何か他のもののせいにできればと思う。正直なところ、これまでと同じように高いパフォーマンスを発揮できていると感じているからだ。僕はこれまでで最も経験が積み重なっているからね」 F2ランキング13番手に甘んじているベアマンは、2024年から導入された新しいF2マシンに求められるドライビングスタイルに苦しんでいると認めている。 「特に(F1の)フリー走行に出ている時は、セッションごとにクルマのバランスが変わってくるから本当に難しいよ」 「F1での走行はとても重要だったと思う。でも、F2では少し難しい状況が続いていることは隠しようがない。常に心の奥底に疑問符が残るんだ」 今季これまでF2でベアマンが獲得した唯一の表彰台となっているのが、オーストリアでのスプリントレースでの勝利だ。この5日後に、ベアマンのF1デビューが発表されている。 「正直言って、これ以上のタイミングはないよ」とベアマンは語った。 「というのも、日曜日(スプリント翌日のフィーチャーレース)でもエンジントラブルが起きてしまったからだ。苦労が水の泡になるような感じだった」 「F1での僕の将来性だけでなく、チームにとっても重要なタイミングだった。F2では、みんなのモチベーションを高めるためにいい結果が必要だったんだ。それが本当に助けになった」 ベアマンは今、ザウバーからF1デビューし2年目にフェラーリに昇格したシャルル・ルクレールの足跡を辿ろうとしている。 「そうなることを願っている! それが夢なんだ」 「自分の手でコントロールできることじゃないから、自分にできるのはベストを尽くすことだけだと思っている」
Benjamin Vinel