バルクアップのための食事では何が大切?(基礎知識編)
筋トレをする目的は人によってさまざまですが、特別な競技を行わない人の多くは、筋肉を増やすこと、すなわちバルクアップをメインに考えてトレーニングすると思います。理想のボディメイクのためには、正しいトレーニングの知識やテクニックの習得に加え、栄養面についても深く理解することが大切です。今回は、バルクアップのための食事の基礎知識を紹介します。 【写真】“クズ”と呼ばれたネガティブ男性がバルクアップ
カロリー摂取量について
まずは、ボディメイク以外の場面でもよく使われる言葉であるカロリーについて解説します。筋肉を増やして身体を大きくする場合にも、脂肪を減らしていく場合にも、カロリーについて正しく理解することが不可欠です。 体重の増減はカロリーで決まる >そもそもカロリーとは? カロリーとは、科学的な用語で言うと「熱量」を表す単位を指します。ものを燃やした時に放出されるエネルギーの一部が熱量です。ヒトの身体の中では、食品から摂取した栄養素が呼吸によって燃焼されることで、ATPという化学物質の形でエネルギーが取り出されます。ATPは体内で起こるほとんどの反応に不可欠な物質であるため、生きている限りは絶え間ない栄養の補給が必要となります。 >摂取カロリーと消費カロリーの関係 ヒトが生命を維持するためには、食品からエネルギーを摂取することが必要です。このエネルギーのことを摂取カロリーと総称します。一方で、身体の中でたんぱく質・炭水化物・脂質等が燃やされる際に生じるエネルギーのことを消費カロリーと呼びます。身体の外から摂取したカロリーが身体の中で消費されるカロリーを上回っている場合は、余分のカロリーは身体の組織として蓄積されます。糖質の形で貯められる場合はグリコーゲンが主となり、脂質の場合はいわゆる体脂肪になります。逆に、身体の外から入ってくるカロリーが消費カロリーを下回っている場合は、身体の組織を燃やすことで足りない分を補います。その際のエネルギー源としては、グリコーゲンや脂質に加えて、筋肉が使われることもあります。 >増量時は摂取カロリーを増やす 摂取カロリーが消費カロリーを下回っている場合、身体は足りない分のエネルギーを作り出すために筋肉や体脂肪などの組織を分解します。このような働きを「異化」・「カタボリズム」と呼びます。一方で、外から取り入れた物質を自分の身体の一部として合成し直す働きを「同化」・「アナボリズム」と呼びます。筋肉が増える反応も同化の一つです。すなわち、バルクアップをしたいならば、摂取カロリーが消費カロリーを上回っている状態を作ることが大切だと言えます。