ユニクロがレッドソックスとタッグ!
米大リーグのレッドソックスは、12日(日本時間同日深夜)にカジュアル衣料品の生産販売を扱う「ユニクロ」(ファーストリテイリング)とスポンサー契約を締結したことを発表した。1984年に広島で開業された「ユニクロ」は、お手軽な価格帯で高品質なカジュアル衣料品を提供。日本ではフリースなどが大流行した。同社は01年に「UNIQLO」として英国ロンドンに出店。その後、中国、韓国など海外市場に進出し、米国では、06年にニューヨークのマンハッタン・ソーホー店を皮切りに、サンフランシスコなどに市場を拡大。現在全米で20店以上を出店している。 今回のスポンサー契約は、今月27日にボストン市内に期間限定の新店舗をオープンする他、今秋に、隣接するコネチカット州を含め、計6店を初めて開設する同社のニューイングランド地方への市場進出が背景にある。地元の人気球団と提携を結ぶことによって、まだ知名度の低いブランド名の浸透を目指すものだ。「我が社は、店舗を出す地域の顧客と社員を、情熱を持ってサポートすることに誇りを感じている。地域の子供達に輝かしい未来の支援を提供することは嬉しいこと。きっと喜んで頂けるだろう」と球団の本拠地球場フェンウェイパークで会見に応じたユニクロUSAのラリー・メイヤーCEOは語り、ヘンリー球団オーナーの妻で、球団基金の役員を務めるリンダ・ピツィティ・ヘンリー夫人は「基金のサポートに感謝し、ファミリーの一員として歓迎します」とコメントした。 ユニクロは今回のスポンサー提携で5万ドル(約508万円)を、大学の奨学金などを支援する球団の慈善基金に寄附。地域で行われるイベントの協賛などを行う。9月の新学期を前に、250人の子供たちに通学に着る衣料などの商品提供を予定している。今回の対象はあくまで米国市場だ。松井秀喜氏がヤンキース在籍中、日本でのテレビ中継を意識した新聞社が外野に漢字広告を出したり、日本の男性エステ企業がバックネット裏に広告を出したりしたのとは、意味合いが違う。レッドソックスは、今年から米国での現地生産、流通をスタートさせた森永製菓のキャンディー「ハイチュウ」とスポンサーシップを結び、反響を呼んだが、今回の「ユニクロ」は「ハイチュウ」に続く第2弾と言えるだろう。地元で圧倒的な人気と認知度を誇るレッドソックスは、言わば“地元の名士”。その名士が橋渡しとなって、どちらかと言えば、保守的な土地柄であるニューイングランド地方で受け入れられるきっかけに…というのが狙いだ。