「五輪落選の逸材→W杯日本代表」大迫勇也に柿谷曜一朗、鎌田大地と伊東純也…実は多い「(三笘)薫が活躍したので」東京世代だと誰?
“半端ない大迫とジーニアス柿谷”の名はなかった
「今は、負ける気がしない」 清武が大会中にこのように語るなど、結果も残したロンドン世代だが――不思議なことにその後は出場選手よりも、むしろ落選した選手の躍進が際立っていく。 筆頭は、大迫勇也だ。アジア予選ではチームのエースとして出場権獲得に貢献。メンバー発表の際も地元・鹿児島では当然のように激励イベントが準備されるなか、まさかの落選を味わった。 07年のU-17W杯に続いて世界大会出場のチャンスを逃した大迫はしかし、鹿島で着実に成長を遂げる。翌13年はリーグ戦で19得点を挙げて初めてベストイレブンに輝き、同年にA代表デビューして14年ブラジルW杯、さらに18年ロシアW杯出場へつなげていった。 前述したU-17W杯での活躍などで世代の中心を担うと目されていた柿谷曜一朗も再逆転を見せた。しばらくの低迷で五輪は逃したが、12年に復帰したセレッソ大阪で本来の輝きを取り戻すと、こちらも14年W杯のメンバーに入った。「半端ない」、「ジーニアス」といった“枕詞”がついて回った2人は、五輪代表の落選をバネにA代表へと駆け上がった。 14年には間に合わなくとも、主力としてW杯を戦ったのが、原口元気、柴崎岳、昌子源の3人だ。また大迫は14年1月から、原口は14年夏から、そして柴崎も17年1月からヨーロッパへ渡り、昌子も合わせて18年ロシアW杯の主力として決勝トーナメント進出を達成している。 ちなみに当時は大学サッカー界に籍を置いていた武藤嘉紀と谷口彰悟もロンドン五輪に縁がなかったが、それぞれ18年ロシア、22年カタールでW杯の舞台に立っている。
リオ五輪のOAが国内組に限られたワケ
【2016年:リオ五輪】 〈リオ五輪代表メンバー〉 GK:櫛引政敏、中村航輔 DF:室屋成、藤春廣輝※、植田直通、塩谷司※、亀川諒史、岩波拓也 MF:遠藤航、原川力、大島僚太、矢島慎也、中島翔哉、南野拓実、井手口陽介 FW:鈴木武蔵、興梠慎三※、浅野拓磨 バックアップメンバー:杉本大地、中谷進之介、野津田岳人、オナイウ阿道 〈代表漏れした主な選手〉 久保裕也、山中亮輔、奈良竜樹、伊東純也、鎌田大地、守田英正、山根視来 手倉森誠監督のもと、久保裕也や浅野拓磨らの活躍によってAFC U-23選手権(現U23アジアカップ)を制したリオ世代。出場権が懸かった準決勝のイラク戦をアディショナルタイムのゴールで勝ち切り、宿敵・韓国との決勝も浅野の逆転弾で決着をつけるなど、リオへの道を劇的に進んでいった。 13年、15年とU-20W杯に出場できなかった世代だが、U-17年代では11年メキシコ大会でグループステージを突破。吉武博文監督が率いたこのチームから、中村航輔や室屋成、南野拓実、中島翔哉ら大量7人ものベスト8経験者が五輪メンバーに名を連ねている。
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