職場にいる「話し上手な人」と「話すのが下手な人」の決定的な違い
● 話し上手な人の特徴 皆さんが普段見ているお笑い番組に出る人気芸人たちは、自分の話をダラダラと話すことは、まずありません。 少し考えてみてほしいのですが、フリートーク形式の番組で、1人の芸人が休みなく1分も自分のエピソードトークをしている光景を見たことがあるでしょうか。きっとないと思います。テレビバラエティの場合、30秒でも1人しゃべりは長いことがほとんどです。 そのため、よくしゃべっている印象のある芸人でも、1回あたりのトーク時間は20秒程度で、それ以外は、まわりの芸人とやりとりをしながら会話をしているのです。話す側と聞く側がはっきりとわかれてしまうケースとは大きく異なります。 また、人気芸人はもう1つ意識していることがあります。それは自分の話をするときでも、「人が話に入ってきたくなる工夫をすること」です。 たとえば、最近した買い物の話をするのであれば、「年末まで待ったほうが安いのはわかってるんだけど、ガマンできなくてつい買っちゃった」というような言葉を話のなかに入れていくのです。このような経験は多くの人が持っていますから、「わかる! この前、私もさ~」と聞いてる側も自然と会話に入ることができます。 ほかにも、あえて自分しかわからない感覚のことを大袈裟に言ってツッコミを待ったり、相手の好きな話題を冒頭にして、興味を誘ったりと、聞き手が話し手にもなれるタイミングをたくさん用意するのです。 一方的に話を聞くだけではないですから、まわりの人もツラくはないでしょう。むしろ、誰もが自分の話をしつつ、人のことも知れるわけですから、理想のコミュニケーションと言えるでしょう。 お笑いの話が長くなってしまいましたが、これはビジネスの世界でも同じなのではないかと感じます。近年、飲み会を嫌う若手が増えているというニュースをよく見ますが、若手が嫌いなのは飲み会なのではなく、一方的に聞き手に回らなければいけないのが嫌なのではないかと思います。 皆さんも同じように、自分の話ばかりする人が職場にいたら疲れてしまうのではないでしょうか。 話し上手な人はこういったことを避けるべく、自分の話はなるべく短くシンプルにまとめたり、まわりの人も会話に入ってきやすいような工夫をするのです。 非常にシンプルで、当たり前のことですが、油断をするとすぐに実践できなくなってしまうことでもあります。ぜひ頭の片隅に入れておいていただけますと幸いです。
本多正識