住宅を3Dプリンターで 完成まで48時間、低価格 珠洲で着工、普及目指す
能登半島地震の被災地で住宅再建を短時間、低価格で進める手法として、建設用3Dプリンターを用いた住宅1棟が22日、珠洲市上戸町南方のホテル「のとのわ」で着工した。数十のパーツを組み上げる施工時間は48時間、本体価格は550万円(税別)で、被災者に住み心地を体験してもらい、普及を目指す。 ホテルを営む同市の設備会社「三百苅(さんびゃくがり)管工」が、2022年から国内で初めて3Dプリンター住宅を手掛ける住宅メーカー「セレンディクス」(兵庫県西宮市)に発注した。 住宅は鉄筋コンクリート造り平屋建てで約50平方メートル。石川県外の工場に設置された3Dプリンターが設計データに基づき、モルタルでパーツを成形。現場に運び込んで組み上げる。 8月初旬に本体を完成させた後、内装工事を行い、9月中の落成を予定する。ホテルの一室として使い、被災者が無料で利用できる機会も設ける。 セレンディクスCOO(最高執行責任者)の飯田(はんだ)國大さん(51)は「住宅を再建する選択肢の一つになればと思っている」と話した。