【MLB】2024年ワールドシリーズを制するのは?ヤンキース対ドジャースの勝敗予想
ドジャースはヤンキース打線を抑えることができるのか?
ただ、ヤンキースが寒い天候の中で強力なクリーブランド・ガーディアンズ投手陣を相手に1試合平均5.8得点を挙げることができたのはポジティブな兆候だ。ドジャースはガーディアンズよりもタフな相手ではあるが、投手力が最も弱いところだ。 ドジャースのリリーフ陣はレギュラーシーズン中は強力で、ガーディアンズに1点近く差はあるものの、MLB全体4位の防御率でシーズンを終えている。 しかし、ドジャースはこのポストシーズンでリリーフ陣を多用している。ドジャースは10月に11試合をこなしたが、ヤンキースは9試合と、リリーフ陣にかなり頼った采配となっていた。ドジャースの投手陣は4日間のオフで十分に休養は取れていると思われるが、ワールドシリーズでもリリーフ陣に頼らざるを得ないだろう。 その理由は、ドジャースには先発投手が足りないからだ。ジャック・フラハティは素晴らしいレギュラーシーズンを過ごしたが、ポストシーズンでは不安定な投球が続いている。山本とウォーカー・ビューラーも同様だ。 山本とビューラーはどちらもプレッシャーのかかる状況でも好投できることを証明しているが、最近の故障歴を考えると、5イニング以上投げられる可能性は低い。山本は中5日の厳しい投球スケジュールのため、チャンピオンシップシリーズでは1回しか登板できなかったが、ヤンキースとのワールドシリーズでは2回登板すると見込んでいる。 ヤンキースは主導権を握ることで、デーブ・ロバーツ監督にブルペンを酷使させ、シリーズ後半にドジャースを苦しめるというシナリオもある。しかし、そのシナリオではヤンキースは攻撃をゆっくりとスタートするパターンを変えなければならない。
ヤンキースはドジャース打線を抑えることができるのか?
ドジャースの攻撃力はガーディアンズの攻撃力より数段上だ。つまり、ヤンキースはガーディアンズとのチャンピオンシップシリーズ第3戦や第4戦のようなブルペンの崩壊を許容できない。ガーディアンズの5得点はドジャースの10得点に相当する可能性があるからだ。 ヤンキースには今のところドジャース打線を脅かす先発投手はいない。特に、ドジャースはマックス・マンシー、キケ・ヘルナンデス、さらにはトミー・エドマンが好調だ。コールは今ポストシーズンで不安定な投球が続いており、3先発でいずれも6安打以上を許し、チャンピオンシップシリーズでは、ガーディアンズ相手に4四球を与えている。 カルロス・ロドンは三振の取れる投手ではあるが、打ち込まれやすい。一方、ルイス・ギルとクラーク・シュミットも好調な日でも長いイニングを投げられる可能性は低い。 ヤンキースの先発陣が強力なドジャース打線を黙らせるとは考えにくく、ブルペン陣もルーク・ウィーバー以外はこのシリーズでヤンキースを優勢にさせるほどの自信を感じさせない。 そのため、ヤンキースが勝つには、ジャッジとソト以外の選手がレギュラーシーズン以上の成績を残し続けることが必要であり、カンザスシティ・ロイヤルズとガーディアンズに勝つために必要だった以上のことを先発ローテーションに要求することになるだろう。 ドジャースにも投手陣の弱点はあるが、ロバーツ監督は今のところ、リリーフ陣の力を最大限引き出しているようだ。 ヤンキースが序盤戦で勝利し、ドジャースに先発投手不足のツケを払わせる可能性は常にあるが、このワールドシリーズではドジャースに分があるのは変わりないだろう。
Dan Treacy、佐藤瑞紀 Mizuki Sato