「苦手なこと」は克服するのではなく“回避する” 「恐怖」は人が生きていくために必要不可欠
たとえば恐怖症の人は心配性でもあるので、商談の時間に遅れるのが心配だから早めに会社を出たとします。すると電車が遅れても、時間に十分間に合って取り引きがうまくいった、というようなこともあるでしょう。 恐怖心や不安感があるからこそ、準備万端整えたり、最悪にそなえて打開策を考えたりしておけるといえます。つまり視野が広がり、ビジネスの力もついてくるというわけです。 電話への恐怖心を克服するために、いろいろなことを実践するうちに、ビジネス力も人間性も磨かれていけば、「電話恐怖症があってよかった」とさえ思えるようになるかもしれません。
電話に限らず、苦手とうまく付き合うことも大切なスキルだと思います。すべてを完璧にしようとせずに、気持ちにゆとりをもって過ごせることこそが、恐怖心を払しょくするために必要なセオリーです。
大野 萌子 :日本メンタルアップ支援機構 代表理事