最近、ガソリンスタンドで「ぶら下がっているタイプの給油機」を見かけなくなりましたがなぜでしょうか?
一昔前のガソリンスタンドでは、天井からぶら下がっているタイプ(以下懸垂式)の給油機が多く見られましたが、最近はあまり見かけなくなっています。現在は地上に設置するタイプの給油機が一般的ですが、その理由として、設置コストやセルフ式ガソリンスタンドの普及などが関係しているようです。 今回は、ガソリンスタンドの給油機の変化について解説します。 ▼ガソリンスタンドで「タイヤが消耗していて交換しないと危険」と言われた! すぐに換えるべき? 交換時期の目安についても解説
ガソリンスタンドは減少傾向にある
ガソリンスタンド自体の減少も、懸垂式の給油機を見なくなった理由と関係があるようです。2018年度~2022年度までの全国のガソリンスタンド数は、表1の通りです。 表1
※経済産業省資源エネルギー庁「令和4年度末揮発油販売業者数及び給油所数を取りまとめました」を基に筆者作成 表1のように、毎年およそ400~700軒のガソリンスタンドが減少しています。ハイブリッド車や電気自動車など、燃費性能の高い車が普及したことも原因の1つと考えられるでしょう。 昔よりも車の燃費が向上したことで、ガソリンスタンドを利用する機会が減り、利用者が減少したとも考えられます。また、ガソリンスタンドの利用者が減ると、売上も比例して少なくなるため、経営が難しくなるかもしれません。
懸垂式のガソリンスタンドが減少している理由
ガソリンスタンドで懸垂式の給油機を見かけなくなった要因の1つとして、セルフ式ガソリンスタンドの増加も影響しているようです。セルフ式ガソリンスタンド数の変遷は、以下の通りです。 ●平成14年度末:2523件 ●平成19年度末:7023件 ●平成24年度末:9275件 ●平成29年度末:1万100件 ●令和元年度末:1万320件 ●令和2年度末:1万467件 ●令和3年度末:1万608件 ●令和4年度末:1万721件 このように、セルフ式ガソリンスタンドは、平成29年度末まで急激に増加し、以後毎年増えていることが分かります。 なお、セルフ式ガソリンスタンドを運営する際の給油機は、懸垂式と地上に設置するタイプのどちらでも問題はないようですが、運用のしやすさから、地上に設置するタイプが多く採用される傾向にあります。