「期待に沿えず、おわび」 稲村氏、落選に肩落とす 兵庫知事選
「期待に沿えず、おわびする」。 前尼崎市長の稲村和美氏は神戸市内の事務所でこのように語り、肩を落とした。「選挙はゴールではなくスタート」と話し、再選した斎藤元彦前知事に県政の立て直しを求めた。 報道各社が午後8時すぎから続々と斎藤氏の当選確実を伝えると、事務所内では落胆の声が広がり、涙ぐむ関係者も。 選挙戦では立憲民主党や一部自民党の県議、県内首長などから幅広い支援を受けた。稲村氏は敗因について、「何に負けたか整理がついていない」と振り返りつつ、「ともに歩んでくれた皆様に感謝する」と頭を下げた。 公約でハラスメント防止条例の制定や公益通報制度の見直しを主張し、県政刷新を訴えた。それだけに、「何が(有権者の)判断材料になったのか」と話し、政策の議論が不在の選挙戦に疑問を呈した。 政治活動を続ける意向があるかと問われると、「今は考えられない」と硬い表情で話した。