読み解くカギは"ちぐはぐインフレ対策"と"化石燃料への回帰"! トランプ復活で結局、日本経済はどーなるの!?
まさかのトランプ返り咲き! 前回以上に好き放題やりそうだけど、知りたいのは日本の経済にとってトクなのか、ソンなのかだ。当選後の株価や為替の動きを踏まえて専門家に予測してもらった! * * * ■インフレを加速させる政策ばかり トランプが掲げる経済政策をおさらいすると、「インフレの退治」「減税」「関税の引き上げ」「金利の引き下げ」などが挙げられる。 これらの政策を「ちぐはぐだ」と評するのは、ストラテジストのカツキタロウ氏だ。 「アメリカは9月の消費者物価指数が前年同月比で2.4%上昇し、国民の生活を苦しめています。 ところが彼の政策は、いずれもインフレを加速させます。減税すれば消費が旺盛になりますから物価が上がる。また、追加関税を導入すれば、これまで安価で買えた輸入品が割高になります。 さらにトランプは不法移民の取り締まりを強化しようとしていますが、移民の数が減れば安価な労働力が減りますから人手不足が深刻化しますよね。いずれも物価を押し上げる方向に働くわけです」 一般に、米国がインフレになるとドル高につながりやすいといわれる。メカニズムはこうだ。アメリカの中央銀行であるFRBはインフレ率を抑えるために金利を上げる。金利を上げると人々はお金を借りなくなるから、景気を冷やし物価を下げる効果があるのだ。 そして金利が高くなったドルは金利の低い他国通貨より魅力的なため、ドルが買われる。よってインフレがドル高につながるわけだ。 ところがトランプが目指すのはドル安である。 「これまでもトランプは、自国通貨が高いことで貿易赤字を抱えていることに不満を表明していました」 つまり、トランプが目指していることとやっていることは噛み合っていないのだ。このあたりが先を見通す上で難しい点で、トランプ当選前の専門家の為替予想は「ドル高円安」と「ドル安円高」、真っぷたつに割れていた。