英インフレ率、4月は予想ほど下がらず-早期の利下げ観測後退
(ブルームバーグ): 英国のインフレ率は、レストランやパブでの持続的な価格上昇圧力などを背景に、4月は予想されたほど下がらず、イングランド銀行(英中央銀行)による利下げが遅れる可能性がある。
英政府統計局(ONS)が22日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.3%上昇し、前月の3.2%上昇から伸びが鈍化した。この数値は2021年夏以来の低水準で、イングランド銀の目標値である2%に近づいたものの、エコノミストが予想していた数値の上限だった。
4月の英インフレ率の鈍化が予想ほど急ピッチでなかったことを受け、トレーダーの間で利下げ見通しが後退し、市場ではもはや年内2回の0.25ポイントずつの金利引き下げは完全には織り込まれていないことが示されている。
ポンドは一時0.3%高の1ポンド=1.2747ドルで取引された。ポンドは対ユーロでも上昇し、一時ここ2カ月での高値を付けた。
KPMG・UKのチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は「インフレ率は鈍化しイングランド銀の目標に近づいているが、早期利下げに向けては十分でないかもしれない。6月の利下げにコミットするよう、慎重派の金融政策委員会(MPC)メンバーを納得させるには、まだ不十分な可能性がある」と語った。
イングランド銀行が注視しているサービスインフレ率は、前月の6%から5.9%とほぼ横ばい。変動の大きい食品とエネルギーコストを除いたコアインフレ率は前月の4.2%から3.9%に鈍化した。
原題:Stronger-Than-Expected UK Inflation Tempers Rate Cut Bets (1)、Traders No Longer Fully Price Two BOE Rate Cuts This Year(抜粋)
--取材協力:Andrew Atkinson、Irina Anghel、Constantine Courcoulas.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Tom Rees, Philip Aldrick