【MotoGP第6戦カタルーニャGP】14位ゴールの中上貴晶選手は目標クリアのホンダ最上位。次戦はエアロをアップデート予定
必要な改善はエアロだけじゃない、続く模索
前戦フランスGPを終えて、ホンダはイタリアのムジェロ・サーキットでプライベートテストを実施しました。ここには中上貴晶選手(イデミツ・ホンダLCR)も参加し、主に新しい空力デバイスをテストしたということです。 【画像】2024年シーズンのMotoGPクラスに臨む中上選手を見る(6枚)
ただ、テスト後に行なわれた今回の第6戦カタルーニャGPでは中上選手のマシンにアップデートはなく、次戦イタリアGPで新しいアイテムが投入されると語っていました。 なお、チームメイトのヨハン・ザルコ選手(カストロール・ホンダLCR)は新しい空力デバイス、ファクトリーライダーのジョアン・ミル選手(レプソル・ホンダ・チーム)は新しいエンジンのコンフィグレーションを使用していたということで、ライダーによって状況は異なっていたようです。 カタルーニャGPが行なわれるバルセロナ-カタルーニャ・サーキットはもともと路面のグリップが低く、2023年もホンダ勢は非常に苦しみました。そんなカタルーニャGPで、中上選手は金曜日からレースペースに集中していました。予選は20番手でしたが、スプリントは13位、そして決勝レースではポイント圏内の14位で終えています。ともに、ホンダ最上位の結果でした。 「今週末の目標としては、“ホンダカップ”を制するのがターゲットだったんです」と、中上選手は言います。 現在のホンダとヤマハは最下位付近を占めることが珍しくなく、現場の囲み取材などではそんな状況を指して“ジャパニーズカップ”などと表現することがありました。“ホンダカップ”とは、それを捩ったのでしょう。
「今回もぎりぎりだったけど、ミルに競り勝って、ホンダではトップでゴールできて、なんとかポイントを獲得できました。あらためて、グリップが低いところでのバイクのパフォーマンス、コントロールも難しいところはありました。喜べるパフォーマンス、タイム差ではないけど、現状の中でベストを尽くせたのはポジティブなところです」 イタリアGPでは空力デバイスなどのアップデートがあるということです。また、イタリアGP後の月曜日には、ムジェロ・サーキットで公式テストが行なわれます。 ただ、中上選手は「改善しなければならないポイントはたくさんあるんです。エアロだけじゃない」と現実的です。ホンダ浮上の模索は、まだ続くでしょう。 次戦となる第7戦イタリアGPは、5月31日から6月2日にかけて、イタリアのムジェロ・サーキットで行なわれます。
伊藤英里