東京大学大学院合格の裏側――ニッポン放送・吉田アナウンサー×アニメ宣伝プロデューサー・栁瀬一樹氏特別対談
吉田:これまで自分が社会人としてやってきたことに意味があったのかどうかを、研究を通じて調べてみるということですよね。意味がなかったわけじゃないとは、自分でも思っているけれども、本当にそうなのかっていう検証は結構面白いです。 柳瀬:自分で追求して、最終的に言語化できたら、他の人の役に立つ可能性が生まれる。先人の言葉を借りれば“情報生産者になる”ということだと思います。 吉田:消費者ではなく、生産者に回ることにしたというわけですね。私が通うことになる情報学環の過去の研究テーマってすごくニッチで、いくつか紹介したんです。そうしたら今日の最後、一人の男性が「そういうことでもテーマにして大丈夫なのであれば、私も考えたいことがいっぱいあるんです」と話しかけてくださって、今日のイベントをやった意味がやったなと思いました。 柳瀬:同世代が「もうこの歳になると面白いことがない」とネットで発信しているのを見ると、そんなことないよってことを伝えたいよね、と吉田さんと話していました。アラフィフになってもこれだけ新しいことできるんだぜ! っていうことを伝えていきたいですね。私たちが所属する東京大学大学院の開沼ゼミは楽しい後輩を大募集しますので、我こそはという方はぜひチャレンジしてくださいね。■柳瀬一樹氏プロフィール ・2002年上智大学外国語学部卒、NTTドコモ入社。iモードコンテンツ提供企業に対するコンサルティングを担当 ・2012年dアニメストア創設時、サービスの企画立案・設計 ・2016年KADOKAWA入社 ・2019年株式会社アンネルとして独立。「邪神ちゃんドロップキック 」「理系が恋に落ちたので証明してみた。」「恋と呼ぶには気持ち悪い」「最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。」「異世界ゆるり紀行」などの宣伝プロデューサーを担当。クラウドファンディング、ふるさと納税、違法より早い切り抜き、違法アップロードの合法化、転売より安いメルカリ、無断転載キャンペーンなど今までにない宣伝手法の案を練る。 ・2023年東京大学大学院学際情報学府入学。「行政広報とポップカルチャー」「AIキャラクターはなぜ面白いのか?」などを研究。 ・2024年自身初の著書『宣伝は差異が全て 邪神ちゃんドロップキックからマーケティングを学ぶ』(太田出版)を発売。 ⇒詳しくはこちら https://www.ohtabooks.com/publish/2024/09/05164607.html ■吉田尚記プロフィール ・1975年東京都生まれ。慶應義塾大学卒業後、1999年ニッポン放送入社。 ・2012年に「第49回ギャラクシー賞」で「DJパーソナリティ賞」を受賞。 ・マンガ、アニメ、アイドル、デジタル関係に精通し、 年間100本以上のイベント司会や、2008年から始まった「マンガ大賞」の発起人・実行委員を務めるなど、ラジオやアナウンサーの枠ににとどまらない活動を行っている。共著を含め13冊の書籍を刊行し、ジャンルはコミュニケーション・メディア論・アドラー心理学・フロー理論・ウェルビーイングなど多岐にわたる。著書の『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)は国内13.5万部、タイで3万部を突破するベストセラーに