“大谷翔平が脇役”に…「ダルビッシュ有vs大谷ベッツは12打数0安打」「山本由伸は“同じ失敗を2度しない”」日本のエース初対決成績が美しい
6、7回:痛恨の2被弾目…それでもダルvs大谷・ベッツは
《6回》 【ダルビッシュ】 エドマン:左飛(シンカー)3球 大谷:空振り三振(カーブ)4球 ベッツ:遊ゴロ(カッター)1球 続投したダルビッシュは大谷との3回目の対戦でも、初球スライダー、2球目カーブを連続ファウル、3球目スプリットはボールになったものの、最後は外側高めに抜けるカーブで、この日高めの球に手が出ていた大谷を翻弄した。この回わずか8球、ここまででも68球である。 そしてあまり報じられていないが――ダルビッシュの非凡さが分かる成績がある。 大谷、ベッツとの2戦合わせての対戦成績は12打数0安打4三振とすべてアウトに斬ってとった。外野に飛んだのは、第2戦でプロファーがホームランキャッチしたベッツの第1打席のみ。これはダルビッシュの出来が素晴らしかった証明として特筆すべきだろう。 《7回》 【ダルビッシュ】 フリーマン:二直(カッター)3球 テオスカー・ヘルナンデス:左本塁打(スライダー)4球 マンシー:右邪飛(スプリッター)2球 フリーマンを打ち取ったものの、続くテオスカーに2-1から内側に入ったスライダーを思い切り振り回されて、左翼へ128mの本塁打を浴びる。MLB公式サイトは「もう一人のヘルナンデスも一発」と即座に報じた。ダルビッシュは大きく吠えていたが――打たれた瞬間、結果を察知したのだろう。 マンシーを右邪飛に取ったところでダルビッシュは降板。2本のソロホームランに泣いたとはいえ、6.2回3被安打4奪三振1与四球、自責点2。山本と甲乙つけがたい、見事な77球だった。
由伸の「5回無失点」はドジャースで36年ぶり
なお両先発の降板後は何も起こらず。ドジャースはベシアの後、コペック、トライネンとつないで2-0で勝利。明後日、リーグ優勝決定シリーズで、千賀滉大のいるメッツとの対戦が決まった。 大谷はこの日、完全に脇役に回った。ダルビッシュ相手に再び無安打で抑えられるなど、4打数0安打3三振。しかし彼はチームメイト、とりわけ山本由伸の活躍を嬉しく思っていたことだろう。シャンパンファイトでの2人の姿を見れば、それがよくわかる。 試合時間は2時間26分、2人の球数の少なさとともに、ピッチクロックの「小気味よさ」をしみじみ感じた。 山本由伸は「同じ失敗は2度しない」選手だ。昨年の日本シリーズ、阪神との第1戦では5.2回自責点7と打ち込まれたが、第6戦は9回1失点で完投した。これがNPBでの最後の登板になったのだが、パドレスとの初戦で大量失点した今回も、必ず修正してくると思われた。 ドジャースで「ポストシーズン5イニング以上の無失点」を1988年の名投手オーレル・ハーシュハイザー以来、36年ぶりに記録した山本由伸はもちろんのこと、この日でシーズンが終了したダルビッシュも「来季はいける」という手ごたえを感じたのではないか。 球史に残る、引き締まった好ゲームだった。
(「酒の肴に野球の記録」広尾晃 = 文)
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