ギオン、通販EC領域の開拓へ すでにEC領域は100億円規模に到達
3PLや通販・EC物流など総合物流事業のギオン(本社神奈川県)が、通販・EC領域の顧客開拓を強化している。既存の物流網でネットスーパーや大手ECの配送で実績を積んでおり、すでにEC関連の売上高は全売上高の約20%となる約100億円となっている。 現状、通販・EC物流のメイン拠点は1カ所だが、そのほかの各拠点でも通販EC物流ができる体制は整えている。「今年から通販EC関連の引き合いが多い。同時に、共同配送に関する相談も多い」(営業企画部 山田健太郎次長)と話す。 3PL事業はスーパーマーケットなど小売り企業がメインで主にBtoB向けの対応で事業を伸ばしてきた。この顧客対応力をBtoB-ECの物流にも生かす。「大手企業がやらないこと、できないことを当社が担う」(同)とした上で、「スポットで利用する場合でも荷主側が困っていれば対応する。柔軟性は当社の武器の1つだろう」と強調した。 <目指す2000坪> 直近の目標としては通販EC領域を含む冷凍・冷蔵の3PL事業の規模を延べ約6600平方㍍(2000坪)まで拡大していく。昨今の冷凍・冷蔵食品の市場拡大が追い風となり、事業強化に乗り出す。3PL事業では保管のみの対応も受け入れ可能にしている。 こうした倉庫のハード面に加えて、WMS(倉庫管理システム)も、自社システムや他社のWMSを併用して、連携しやすくしている。 <食品以外の獲得も> 今後の成長を見据えて、食品の常温やそれ以外のアイテムの対応にも領域を広げていく予定だ。「食品物流に絞ってやりたいというこだわりはない。依頼や相談があれば内容に合わせ、アレンジし対応していく」(同)と言う。 全売上高は500億円規模にまで拡大している。同社が掲げる「顧客優先」が着実に実を結んでいる。 顧客の課題や困りごとは物流対応のみならず、コスト面も含まれる。柔軟性を持って対応してきたことが成長の核になっている。「大手ではやらないことも場数を踏んでこれまでやってきた」(同)と振り返る。 「自前主義」にもこだわり、倉庫運営から配送まで自前でやっていることが荷主からの信用を得ているようだ。 約80カ所の倉庫拠点数とシステム、配送の3つを武器に通販EC領域を開拓し、強みを生かして事業を成長させていく方針だ。
日本ネット経済新聞