「夜遅くに歩いているほうが悪い」「いつまで落ち込んでいるの?」…被害者をさらに追いつめる「二次被害」に遭ったときはどうすればよい?【弁護士が解説】
二次被害の例
二次被害には次のようなものがありますが、これらはほんの一部です。 1 友人、恋人からの言葉 ・「夜遅くに歩いているほうが悪い」 ・「被害なんて言ってるけど、あなたもその気があったんでしょう?」 ・「忘れたほうがいい。時間が解決する」 ・「あなたが警察に行かなかったら、他の人が被害にあうから行くべきだ」 2 親、きょうだい、配偶者などの家族からの言葉 ・「世間体が悪いから黙っていて」 ・「警察沙汰を起こすなんて恥だ」 ・「なぜ今頃言うの?自分が悪いから黙っていたんでしょう?」 ・「いつまでそうやって落ち込んでるの?」 3 マスコミによる報道 ・重大事件の被害者宅に各社が押しかけ、近所にまで迷惑をかける ・遺族の許可なく、お通夜や葬儀の取材をして報道する ・被害者の写真を勝手に報道する 4 警察、検察、裁判所などの捜査や裁判の場で ・取り調べの過程で、被疑者と同じような扱いをする ・「なぜそこにいたの?」など、被害者に落ち度があるような聞き方をする ・法廷で被告人が被害者を侮辱するような発言をしても、阻止しない 5 被害者支援弁護士 ・「加害者にも言い分があるのだから、被害者も配慮して」 ・被害者参加制度や心情等に関する意見陳述など、刑事裁判における被害者の権利に無知な結果、「被害者は刑事事件にはあまり関わらないほうがいい」などと決めつける 6 医師 ・「警察に届け出るなら診察しない」 ・「たいしたケガじゃないから、放っておけば治る」などと言ってカルテにも記載せず、そのために後日、事件の立証ができずに不起訴となってしまう ・「中絶するなら、加害者の同意をもらってね」などと間違った助言をする 上谷 さくら 弁護士(第一東京弁護士会所属)、犯罪被害者支援弁護士フォーラム事務次長
上谷 さくら