6月&7月は“子どもの交通事故”が多発…事故を起こさないために「車の運転手」「保護者」それぞれが意識すべきこととは?
TOKYO FMのラジオ番組「ONE MORNING」内でお送りしている「JA共済 presents なるほど!交通安全」。6月21日(金)放送のテーマは、「子どもの接触事故」について。株式会社ディ・クリエイト 代表取締役の上西一美(うえにし・かずみ)さんから、子どもの交通事故を未然に防ぐ方法を伺いました。
◆思いもしないところから飛び出してくることを想定する
毎年6月は、小学生が車に接触する事故が多いことから“魔の6月”と呼ばれています。警視庁が発表した2023年の子ども(幼児・小学生・中学生)の交通人身事故発生状況によると、もっとも交通事故に遭っている人数が多いのは6月で183人でした。 2023年版「子どもの交通人身事故発生状況」による事故数が多い月 6月:183人 7月:180人 10月:177人 3月:160人 また、時間帯別で見ると「16時~18時」が圧倒的に多く568人もいます。 2023年版「子どもの交通人身事故発生状況」による事故数が多い時間帯 16時~18時:568人 14時~16時:350人 18時~20時:261人 上西さんは、「そもそも子どもは危険感受性が低いため、車のかげや交差点の壁など、車の運転者からは死角になっていて、見えないところから飛び出してくる、といった特徴があります。さらに、私がドライブレコーダーの映像を3万件近く見てきたなかで感じた特徴として、車の運転者から見て“左からの飛び出し”が多いこと。これも危険感受性が低いことが原因です」と言及。大人なら危険を感じてやらない行動も、子どもならやってしまう可能性があることを認識しましょう。
◆生活道路では“構えブレーキ”をしよう
子どもたちの行動範囲を考えると、もっとも注意すべきは、家から主要な道路に出るまでに利用する“生活道路”です。国土交通省では“車道幅員5.5m未満”を生活道路としていますが、それほどの狭い道では基本的に交差点に横断歩道や信号はないため、子どもが飛び出してきて接触してしまう事故が起こりえます。 「基本的に子どもは予期せぬ動きをします。なので“車が通るから子どもは飛び出してこないだろう”“子どもからはこちらが見えている(から大丈夫だろう)”という思い込みで車を運転していると事故は絶対に防げませんので、“子どもを発見したらすぐに減速をする”というような措置を取っていただきたいです」と上西さん。 生活道路において、特に見通しが悪い交差点を走行するときは徐行が義務づけられています。まずは速度10キロ以下に落としましょう。車の時速が30キロを超えているときの人身事故の死亡率は2.7%ですが、時速30キロを下回ると0.9%まで下がり、さらに時速20キロを下回ると0.4%にまで下がります。 また、生活道路ではブレーキに足を置く“構えブレーキ”で走行することも重要です。「アクセルからブレーキに足を踏みかえるのに約0.2秒かかります。“たかが0.2秒”と思われるかもしれませんが、そもそも、生活道路では走行速度を抑えているため、ブレーキをいかに早く踏めるかが(事故率に)影響します。そのため、構えブレーキは習慣化してほしいです」と声を大にします。